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E.V.2023 曲紹介 イギリス

アーティスト名:Mae Muller
曲名:I Wrote A Song

イギリスと言えば数々のアーティストを生み出してきた音楽王国として、有名すぎるほど有名な存在。
ユーロビジョンにおいてもその存在感は絶大です。
1957年にデビュー以降、5回の優勝を経験。
また2位の獲得回数においては過去16回と、最高記録を保持しています。
しかしながら2000年代に入ってからは深刻な成績不振が続きます。
2003年に最初の最下位を経験すると、イギリスはその後も低空飛行を続け、過去20年の間に5回も最下位の屈辱を味わうことになります。
僕がユーロビジョンを見始めたのが2007年大会なので、僕個人のイギリスのイメージは正直あまりよくありません。
イギリスBBCが誇る車情報番組トップ・ギアで、たびたび
「低迷する英国経済を云々…」
「破綻寸前の英国経済を云々…」

という自虐トークをよく耳にしていたことも手伝い
「イギリスも過去の存在」
と勝手に思っていた節もありますが、後にそれは大きな間違いだったと思い知ることになります。

2022年大会でイギリスが放った刺客SAM RYDERSpace Manが見事二位の座につきます。
視聴者の投票により、ウクライナに大逆転を許しましたが、彼の堂々のパフォーマンスに観客は大いに沸きあがり、そこには英国の復興を感じさせるものがありました。
前年大会の優勝国であるウクライナが国情により本年大会の自国開催を断念したときに、代わりの開催国として手を差し伸べる形になった英国は、ユーロビジョンを支える大黒柱としての存在感を再び世に示すことになります。

そんな英国が、自国開催のユーロビジョンの舞台に送り込むのが、若手のポップ歌手Mae Muller。
幼少のころから音楽に才能を発揮し、8歳には既に作曲をしていたそうです。
その後地元のアパレル店で働きながら、パブで歌手としての経験を積むことになります。
2017年から本格的な音楽活動を始めた彼女ですが、コロナ禍の中でその活動を活発化させ、2021年にシングルが全米トップ10を記録するなど躍進を遂げます。

彼女が歌うI Wrote A Songは失恋を綴ったR&B。
Dua Lipaを思わせる曲調にK-POPを意識させるような控えめなラップパート。
なんというか…ヒット曲の良いとこ取りをしたような感じでしょうか。
悪くはないのですが、ちょっと物足りないかも。
PVの構成もDua Lipaの曲を連想させますね…でも映像的に面白いことに挑戦してるので、個人的には評価しています。

今、ユーロビジョンの会場となるリバプールでは、ホテルや民泊の値段が高騰しているそうです。
ユーロビジョンのファンが欧州中から集まるという事で、リバプールを中心に大きな社会現象が巻き起こっているようです。
様々なネガティブ要素により低迷して久しいとされる英国(諸説あり)ですが、本大会をきっかけに再び往事の輝きを取り戻してもらいたいと願うところです。



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