初めて涙が出た。

「実はわたし・・・、
　8月末で退職します。
　いろいろ迷惑をかけると思うけど、
　ごめんね。」

社内でオープンにするＯＫがやっと
出たので、仕事仲間を１人１人呼び出し、
告白ばっかりしています。
この２日で、10人に告白しました。

「早期退職で誰が辞めるか」予想では、
わたしはダークホースだったらしい。
ほとんどの人がめちゃくちゃ
驚いていた。
わたしは、「最後までチームを
下支えする職人」キャラだからなあ。
申し訳ない・・。
今回、抜けさせてもらうっす。

それからの言葉が人それぞれでした。

惜しむ気持ちを過剰に伝えてくれる派。
「ショックすぎて、何も言えない。
　ボクらの部署、滅茶苦茶に
　なりますよ。
　それに、ボクの心の穴を
　どうしてくれるんですか」
（チーム長がそんな弱気で、どうする。
　絶対、大丈夫だから。多少混乱しても、
　みんな優秀だから、さらに良くなるよ。）

自分もこれから考えよう派。
「うわー、いいなー。良いと思います！
　賢こー。自分もちゃんと考えよー。」
（そうやな、キミは前から
　早期退職したいと思ってたもんね。
　変に刺激を与えちゃったかしら。）

同年代の人たちは、自分も迷ってる派が多かった。
「50歳前を区切りにするのって、分かる。
　わたしもそろそろ考えたいけど、
　タイミングが合わなくて・・。」
「俺も迷ってますよ。
　60歳定年で放り出させるより、
　55才くらいで次の職を見つけて生きてかなきゃと思ってますもん。
　今からなら投資して増やしたらいいですよね。」
（そうだよねー、悩める50歳前だ。
　人生100年時代だから、長く働きたいって思っているみたい。）

意外だったのは、後輩くんたちの反応。

「飲み会の噂で聞いたとき、
　一瞬で酒がまずくなりましたよ。
　これから部署の雰囲気、変わりますよ。」
（まずい酒にしてしまって、
　ごめんね。おばさんが１人
　居なくなるだけだから、
　大丈夫だと思うけど、
　ありがとう。）

「ショックです。ショックです。
　（遠い目）
　ミツバチさんは絶対辞めないと
　思ってたもん。
　わたしこれから、誰に愚痴聞いて
　もらえばいいんですか。
　今からでも間に合いますよ。
　退職届、人事から強奪してきて
　いいですか。」
（それは、嬉しいけど、困るわ。
　愚痴は聞くから、また一緒にご飯食べてな。）

「ショックすぎて、
　ヨメにラインしました。
　ヨメも驚愕してました。
（奥さんは元社員で、
　一緒に仕事をしたのです。）
　和みキャラが1人減って、さみしいです。」

・・・、え？

わたしって、和みキャラだったのか・・・。
和みキャラ・・・。
いまになって、知るキャラ設定。

そうだったのか・・・。


色々な言葉をかみしめながら、
夜10時に人気のないオフィスで、
準備書類をコピーしていたら、
いきなり涙が出てきた。
ボタボタボタボタ・・・。

あれ、涙が止まらない。

おかしいな、
涙もろいキャラじゃないのに。