京極夏彦〈百鬼夜行シリーズ〉全レビュー|第7回:『陰摩羅鬼の瑕』
作家である関口は、探偵を依頼された榎木津とともに白樺湖畔の洋館に赴いた。そこでは過去4度に渡って婚礼の夜に花嫁が命を落としており、“伯爵”の5度目の婚礼が行われようとしていた——。
京極夏彦作品に初めて出会った時の衝撃は忘れられない、それは京極作品に一度でも触れたことのある多くの人が共通してもつ感慨だろう。まさに世界がひっくり返る感覚、京極作品に出会う前の自分には戻れない。とてつもない知識量、個性溢れる登場人物、引き込まれる文章、……、それは『陰摩羅鬼の瑕』でも健在であ