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大人とは空想上の生き物である

いつのまにか「中年」に該当する年齢になりました。

思い描いていた中年像は「自立した大人」。
酸いも甘いも経験し、自分の人生でやるべきことが明確になっている、そんなイメージでした。

いざその年齢に辿り着いてみると、いるのは子ども時代からの地続きの自分だけです。
大人の姿などどこにもありません。

相変わらず感情に振り回され、惑う日々を送っています。
変わったのは抱える問題の内容だけで、基本的に問題に対する反応や対処法は変わっていないような気がします。
「三つ子の魂百まで」というのは言い得て妙です。

ところで、大人という生き物は本当に存在するのでしょうか?

大人の定義も人それぞれだと思います。
ですから、あくまで私の意見なのですが、大人はドラゴンと同類だと思っています。
つまり、ファンタジーです。

なぜそう思うかと言うと、完璧な大人を見たことがないからです。

世の中に大人としての振る舞いができる人は沢山います。
特に公の場では。

私の周りにいる成人は誰しもが子どもっぽいところを持っています。
身近な人ほどそういう面が色濃くでます。
親なんて信じられないくらい子どもです。

大人ではなく「年を重ねた子ども」と言った方がしっくりきます。

子育てをしていて、子どもの感性に驚かされる瞬間が多々あります。
子どもは日常のちょっとした変化を見つけ、それに反応し、遊びに変えていきます。
感受性も想像力も大人より格段に豊かなのです。

我々が本当に目指すべきは大人なのでしょうか。
マナーを身につけるといったところは大事だとは思いますが、何かに対して鈍感になることや諦めが早くなることは本当にいいことなのでしょうか。
甚だ疑問です。

私はファンタジーの生き物を目指すのはもうやめることにしました。
自分の中にいる子どもの部分と楽しくやっていこうと思います。

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