「帝なんて私には関係ない」の幸福 自分の名と業績を懸命に売り込む奴ら
「鼓腹撃壌」って覚えていますか?
理想郷から真逆へ真逆へ
高校の漢文で習った「鼓腹撃壌」は、民が満ち足り、平和に楽しく暮らしている様をいう。
古代中国の神話に登場する尭は、よく国を治め、周囲に崇められたが、民の実際の暮らしはどうか気になっていた。
尭は民に変装し、賑やかな街に出て様子を見た。1人の老人が食物をほおばって腹鼓をたたき、足で壌を打って拍子をとり、歌っていた。
「日が出れば仕事をし、日が沈めば休む。井戸を掘って水を飲み、田畑を耕して食べる。帝なんて私には関係ない」