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テーマは商店街再興から歴史、アート、観光へ 不死鳥の如く何度も蘇る港町・酒田の町おこし

坂田大火を機に商店街再建に乗り出す
しかし、80年代の郊外店、トドメはコロナ

 不死鳥フェニックスは寿命を迎えると、自ら燃え盛る炎の中に飛び込んで我が身を焼き、そして蘇るという。実際に炎で焼かれて死と再生を繰り返す生き物はいないが、そうした歴史を持つ街が山形県酒田市だ。

 酒田は風が強いこともあって、大規模火災にさらされてきた。歴史に残っているだけでも全町の過半を消失した明暦2(1656)年の大火に始まり、幕末までに焼失家屋100軒以上が5年に1回、500軒以上が12年に1回、1000軒以上が40年に1回、2000軒以上が67年に1回の割合で発生している。中でも知られているのが、1976(昭和51)年10月に発生した「酒田大火」だろう。

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