【企業】「世界ワクチン争奪戦」の片隅で 期待の創薬ベンチャー不発で苦悩する政府
ずるずる後退する「大阪ワクチン」
ようやく新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まった。しかし、ワクチン供給が間に合わず世界規模での「ワクチン争奪戦」が繰り広げられている。「2021年前半までに全国民に提供できる数量の確保を目指す」としていた日本政府もワクチンの供給遅延で、それまでに65歳以上の高齢者に対する接種が済むかどうかの状態だ。
そうなると必要なワクチンや治療薬は国内で調達するしかない。国内創薬ベンチャーが次々と開発に乗り出したが、その状況は惨憺たるありさまだ。ジャスダック上場のNutsは昨年1月に子会社が中国・香港で開発を進めていた「経鼻アジュバント不活性インフルエンザワクチン」が新型コロナにも対応すると発表。だが、同2月に証券取引等監視委員会(証取委)から偽計による金融商品取引法違反の疑いで強制調査を受けた。同4月には不適正な会計処理が発覚し、破産に。