日本の少子化の一因は「戸籍」に 「家」制度vs個人の自立

世界の潮流は夫婦別姓を認め
日本は「家」制度にまだ縛られている🏡

 選択的夫婦別姓への機運が高まる中で6月23日、夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲とする最高裁判決が出た。批判が集まったのも当然で、ここ数年の世論調査では選択的夫婦別姓に賛成する意見が反対を大きく上回っている。判決が時代遅れなのは明白だ。

 選択的夫婦別姓に現実的メリットを期待する人は多い。働き手の男性が外に出て女性は家を守る時代ならともかく、いまや大半の夫婦は共働きになっている(図表1)。となれば、仕事の実績が旧姓によって積み上げられているため姓を変更したくない女性が多いのは当然である。

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 少なくとも、結婚に伴って姓を変えねばならないのがデメリットになる人は存在する。その障壁がなければ、結婚するカップルが増えるだろう。

 さらに、世界に大きく遅れをとっているジェンダー平等の促進という意味も大きい。日本では、結婚したら女性側が姓を変えさせられていた。なぜ女性だけがデメリットを享受しなければならないのか。別姓を選択する権利をなぜ認めないのか。判決は合理的な説明になっていない。

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