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何かいる

寝入ってから1時間くらい経った夜中の1時頃。
誰かが部屋に入ってきた。
私の部屋にはエアコンがないので、ドアを薄く開けてあるのだけど、ドアが大きく開いた様子はない。
でも、誰かが入ってきた。
そしてそのままのしかかってきた。
とんでもない力で胸を押さえつけてきて苦しい。
体はピクリとも動かない。
なにこれ?
なにこれ?
ともかく助けを呼ばなければ、と思い大声を出した。

「あ゛ー!」

すごく大きな声が出て、押さえつけていたものはなくなった。
とたんに体が軽くなり、息もできるようになった。
心臓がバクバクして、でもとてもぐったりして、いまのは何だったんだ、と考えてもよくわからず。
明け方になってようやく少し眠った。

次の朝、ウチの男子二人にその話をしたのだけど
「ほんとに大声出した?」
「オレ起きてたけど、声しなかったよ」
まったく役に立たない男子どもよ。
かあちゃんの一大事にそのつれない反応は何?

「でもさぁ、かぁちゃんの部屋、前はオレが使ってたじゃん。そのときも気配あったよ」
「だよね、いるよね」
「怖いこと言うなよ」
「ノックされたことあるよ。気のせいかと思ってたけど、いるんだなやっぱり」

私は超常現象のようなものは全く信じていないし、そんなものはいるわけないと思っている。
本を読んでいると肩を叩かれたり、横を誰かがすーっと通ったりする。
部屋にいると、ともかく何かいる気配がする。
何もいるわけないと思っている。
でも、何かがいる。



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