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顎関節症

元来体が丈夫で、これといって大病の経験がないことだけが取り柄だったが、初めて「顎関節症」になった(顎関節症も大病ではないが)

前触れだったのかどうかはわからないけど、その前日に首がとてもとても凝って、マッサージに行こうかと迷っていた。
マッサージに行ったところでその瞬間気持ちいいだけで、根本的な解決にはならない。でもともかく誰かにほぐしてほしい、と切望する首の凝り。
気休めだろうと何だろうとマッサージに行ってみるか、と思っていた次の朝、口が開かなくなっていた。
顎が痛くてまったく口が開けられない。

話すのには案外支障はないんだね、顎関節症って。
口が開かないと話も不自由になるかと思ったけど、そんなことはなく、ただ、水も飲めないし、もちろんまともな食事もできない。
それも困ったけど、それ以上にしんどかったのは頭が割れるように痛かったこと。
顎関節症とは別に脳に何か起きてるのかなー、と疑うくらいには痛かった。
脳外と歯科とどっちを受診すべきなのか、ほんの一瞬迷って、やはり歯科だろうな、と判断。
診察の結果「顎関節症でしょうね」
後日マウスピースを作ることにして、鎮痛剤だけもらって帰ってきた。

それにしても、まったく口が開けられない私の問診をした歯科衛生士さんが「じゃぁ歯石を取ってから診察しますね」というのには呆れてしまった。
1センチも口を開けられないって言ったハナからその台詞。
まさか、口が開こうが開くまいが関係なく歯石を取るのか。
マニュアル対応にガッカリして、この歯科でマウスピース作るか考えてしまう。

頭痛持ちで普段から鎮痛薬を飲みがちなので、こういうとき薬の効きがとても悪い。
顎関節は動かさなくても熱を持って痛いし、それ以上に頭が痛い。
薬を無茶苦茶に飲みたくなるね、飲まないけど。

まともにご飯が食べられないので「ダイエットできるかな」と期待したが、案外体重は減らない。2キロくらいなんて水分が抜けただけだし、ゼリーとかスープとか、それなりに何かしら摂っているのでもう減らないだろう。
そういう邪なダイエットはどっちにしろ効果がない。

ストレスを感じにくいほうだと思っていた。
仕事は好きだし、職場環境はまぁまぁ良好だし。
でも、体は正直なんだな。
頬杖はつかない、患側でしかモノを嚙まないということもない、ならどこかで(例えば寝ているときに)知らずに歯を食いしばっていたからこうなったんだろう。
職場で「顎関節症になった」と話したら、「いしいさんよくめまいがするって言うけど、それも食いしばりが原因じゃないですか?」と言われた。
調べてみたらそういうこともあるらしい。
そうか、頭痛もめまいも、もしかしたらサインだったのか。

元来体が丈夫だと思って特に気にすることもなかったけど、歳をとってもできるだけ自立するように、できるだけ長くピアノが弾けるように、ちゃんと自分を労わろうと反省した。


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