製造業にとっての最適な品質は何かをご存知ですか？
モノを買うときに最適な品質って何でしょうか？
例えば、自動車・カメラ・食品・人的なサービスなど色々なモノで「品質」「考え方」が変わってきます。しかし、共通することもあります。
今回は購買部門の視点からみた品質について考えたいと思います。私たちは、過剰な品質や品質が悪いなど、何を基準にして品質が良い・悪いを判断しているのでしょうか。
そもそも品質って？
ISO9000では、「本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度」と定義されています。わかりやすく言えば、お客様のニーズを満たしているかどうかということになるのではないでしょうか。
●自動車を例に挙げてみましょう。
品質が悪い、故障が多い、燃費が悪い。
このような形で品質を感じることができます。
では、品質が悪いと感じる原因は何でしょうか？
原材料の素材の品質が適切でない、基準を満たしていない、不純物が入っている。など、それだけではありません。
例えば、ネジの締め付けがバラバラ、数値が決まっていてその通りできていないということもあれば、そこまではきちんとできているのにお客様へ届けるときに雑に扱った。モノであれば、梱包が適当だった。お客様の手元に届いたときにキズがあった。使っていて故障した。色々なところに品質の問題が隠れているのです。
これでは、お客様の満足度は低下するため、品質が悪いということになります。
購買部門が確認するポイント
まず購買として確認することは、素材が基準書通りか。図面通りに作られているか。というところから始まります。
組み立て加工から梱包出荷、製品に関しては、生産技術や物流部門、それぞれの責任になってきますが、原材料調達における梱包出荷、生産の不具合については購買部門の責任になります。
サプライヤーをきちんと管理できているか、指導ができているかということになります。
サプライヤーに図面を渡して
「この通りに作ってください」
と言うとサプライヤーは恐らくこう言うでしょう。
「はい、図面通り作りました！」
「出荷前に検査をして合格していない物は外しました！」
「合格品だけを納品しています！」
ですが、実際に生産現場で部品が届いて組み立てを行おうとしたときに、「あれ？キズがついている！」
「サイズが違う！」
「決められた色でない！」
「形が違う！」
など色々な問題が発生しています。
このような問題をなくすと言うのは品質管理の仕事のひとつです。
図面の中に最低基準を決めることも重要です。
長さや重さであれば±が一定の範囲内に収まっていることが品質を満たす場合もありますし、それが絶対的な数値、例えば公差±0.1mmなのか、決められた基準の0.5%以内なのか、といった相対的な数値、場合によっては双方の絶対的な数値、相対的な数値、両方を決める場合もあります。
また複数の部品を積み重ねて合計のサイズが基準を満たしているか、満たしていないか。と言うことも決める場合があります。
最終的な基準値に満たしていない、保護の部品のサイズが合格基準内であってもそれぞれが最低限ギリギリだったとき、それを積み重ねた結果、トータルで基準に満たしていないことが起きるかもしれません。
したがって、基準を決める場合、合格不合格の判断をする場合、複数の計算測定や基準を決めて、それを満たしているかいないか検査をすることが必要になります。
これを正しくサプライヤーに正しく伝え、実行するためには、定期的にサプライヤーを訪問したりレポートを提出してもらったり、場合によってはサプライヤーと改善に取り組んだりすることが必要になります。
購買が難しい製品とは？
食品については、一番重要なのは衛生管理で、健康に被害がないかと言うことがまず求められます。
今では賞味期限や消費期限などの衛生管理以外のことも細かな基準を満たしていないと販売ができない、非常に難しい製品の購買です。
さらにもう一つ難しいのが、人の命に関わるモノです。たくさんある中で、医薬品・製薬品。薬も人の命に関わるので検査基準、品質管理基準に満たしていないもの、これは売ることはできません。管理は非常に厳しいです。
他にも人の命に関わるものはたくさんあります。自動車もそうですね。安全基準を満たしていない車は売れません。ブレーキなどに問題があって事故が起きて人の命がなくなってしまっては取り返しがつきません。
まとめ
このようなことから品質の管理はとても大事なことがわかるのではないでしょうか。
安く買うこと、納期を守ること、欠品しないこと。この3つは購買の仕事にとって大事ですが、品質を満たすということについては単に図面通りに作ってもらって納品するだけではないですよね。
それを買ってくださったお客様に事故があったりケガがないようにするために物が作られる、その原材料・部品を調達する購買はサプライヤーと共に一緒になって品質管理に取り組まないといけないのです。
その品質は、何をもって合格か不合格かを判断する基準となる図面や仕様書、基準となる公差の数値、それを定期的にチェックするのか、全数チェックするのか、抜き打ちチェックなのか、一つのミスも許さないのか、それぞれ部品の性質や役割によって違います。最適な管理が求められている今の世の中です。
購買の仕事はとても大事です。調達する上で品質の重要性をわかって頂けましたでしょうか。
今後も製造業に関する情報を更新していきます。
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