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ノウハウは引き継げないよ

 旅行や出張で多忙にしており、なかなか更新できずにいました。書きたいネタはたまる一方なんだけど…。でも、noteの更新は習慣化したいので、ここで流れをぐっと引き戻しておきたいところです。
 きょうのテーマは「ノウハウの引き継ぎ方」。私が直面している問題でもあります。

人手不足とノウハウ継承

 以前、人手不足について記事を書きましたが(→こちら)、人手不足に陥るのは、①新規採用できないから、②従業員が辞めていくからの2パターンがありますよね。このうち、②のパターンでいうと、スキルやノウハウをもつ人が辞めていくと組織として困ることになるので、いかに平時からスキル・ノウハウを従業員間で共有しておくか、が重要となるわけです(製造業だけではなく、営業や事務にも言えることです)。
 では、スキル・ノウハウを持つ人にどのように定着してもらうか、という観点で見ると、診断士試験の事例Ⅰで頻出する「成果主義的評価・報酬」などで、その人の頑張りに報いていくのが必要となります。
 ただ、現在は売り手市場でもあり、組織ができる精一杯の待遇をしたとしても、貴重な人材が他組織に移っていくことは起こりえます。では、そうなったときにその人のノウハウをいかに引き継ぐか…。

笑顔で引継ぎはしたいもの

「サルでもわかる引継書」などない

 実は、私も、9年近くにわたって務めてきた組織を退職する予定です。ただ、現在の組織に恩義もあるので、退職日から逆算して4か月前には意思を伝えました。 そして、早い段階で引継書も作成し、上司に提出したところ…。
 「引継書のほかに、サルでもわかる手順書のようなものを作成してほしい」と言われました。一瞬、「そんなものを作成することは不可能だ!」と言おうかとも思いましたが、大人げないので、いったんは作ってみることに。
 でも、現職には多分にノウハウがふんだんに含まれており、いくら文字に起こそうとしても、起こせるものではありません。私の仕事は営業職に近いのですが、対人関係のコツや事務作業の省力化など、その人にあったやり方があり、試行錯誤の上生まれたものなので、書面上だけで表せるものでは到底ないはずです。もちろん、共有できるものはできたほうがよいのですが、なかなか難しいことを身をもって思い知りました。

「引継ぎ期間の確保」とOJT

 私の組織では、担当同士の引継ぎは、前担当が引き継ぐべき内容を書面に起こしたうえで、「1日で終えるもの」と理解されています。ルーティンワークが主の職場であれば、それもわからないことはありません。
 でも、異動の多い組織であればあるほど、ノウハウの引継ぎは難しくなるものです。こうした中で、引継ぎそのものを軽視していたのでは、組織の将来性が怪しくなってくるのではないでしょうか。
 やはり、引継ぎにおいては、前担当と新担当の並走期間を設け、ある程度ノウハウをしみ込ませたうえで、自分なりのやり方をOJTで見つけていくことが理想的なのではないかと思います。
 山本五十六が言った、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」はけだし名言だと思います。

今こそ、知識経営の重要性を!

 診断士試験の勉強の中でとりわけ、感銘を受けたのが、野中郁次郎先生の「SECIモデル」です。詳細はぜひ、ネットで調べていただきたいのですが、個人が抱えている暗黙知を形式知に変換したうえで組織全体で共有・管理し、それらを組み合わせることで新たな知識を創造する、というものです。
 引継ぎというものは、前担当者のスキル・ノウハウに新担当者のものが価値を上乗せするというのが本来の姿ではないかと思います。それを組織で共有できれば、より強靭な組織が出来上がりますよね。
 今では「知識経営(=ナレッジマネジメント)」と呼ばれるものですが、現職の組織においてももっともっと重視してほしいものです。

 本日の投稿、若干、組織への不満も入り混じるものになってしまいましたが…。。。残されたあとわずかの期間は全力で貢献したいと思います。


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