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勉強ではない「古典」の楽しみ

 高校生のとき、私は「古典」という科目が好きではありませんでした。そもそも受験科目になっている時点で、「作品のエッセンスを味わう」というところからは離れてしまい、単語の意味や古典文法などのどちらかというと枝葉末節の部分を覚えさせられてしまうからです。それは、古文しかり、漢文しかり。漢文もレ点や一・二点の打ち方、「将に~せんとす」みたいな、構文の暗記が中心となっていた気がします。
 あれから20数年。コロナ禍で在宅勤務の時間が増え、通勤にかかる時間が不要になったこと、また、通訳案内士としてのスキルアップを通じて、様々な作品に触れる機会を持てたことなど、古典の世界はこんなに楽しくて奥が深かったのか、と改めて思うに至りました。このnoteでも、ぜひ、こうした古典の紹介と私の気づきをご紹介していきたいと考えています。本日は簡単なイントロダクションまで。

諸子百家の世界

 中国の古代思想の世界。孔子、老子、荘子、孟子、荀子、墨子、孫子、韓非子… どれだけ出てくんねん、という話ではありますが、2000年以上前の春秋戦国時代、中国でこれだけ多様な思想が花開いていた、というのは歴史のロマンともいえると思います。
 私のお気に入りは「荘子」。国家同士の戦争で民が疲弊している時代に、これだけ「人の生き方」に焦点をあて、スッと気持ちを楽にしてくれる思想があることに私は驚きを覚えました。私は30代後半にして荘子に出会いましたが、高校生のときに出会っていたら、もしかすると違った人生があったのかもしれない、と思うほどです。
 このほかにも、もろもろ読み進めていますので、どこかでご紹介できればと思っています。

鎌倉時代に花咲く仏教

 日本で仏教が栄えた時代といえば、鎌倉時代。浄土宗の法然、浄土真宗の親鸞、踊念仏の一遍、臨済宗の栄西、曹洞宗の道元、日蓮宗の日蓮。日本史の教科書で学ぶのはざっとこんなところでしょうか。
 原典まで読んだことはないのですが、親鸞の「歎異抄」と道元の「正法眼蔵」は触れる機会がありました。私が今でも大事にしているのが、道元の考える「時間論」です。ざっくり、私の理解というか、付け焼刃の知識でいうと、「時間は連続的に流れるものではなく、その時、刹那が連鎖しているものである」ということです。だからこそ、世の中にはつねに「現在」しか存在せず、「今を一生懸命生きるべき」(≒未来のことを心配しすぎない)だと私は思い至るようになりました。都合のいいように解釈している可能性もありますが、ご容赦下さい。。。

経営や組織に通じるテーマも

 このほか、例えば、中国・唐の2代皇帝、太宗の治世について書いた「貞観政要」はリーダーシップ論として、今なお通じる力強さがあるし、世阿弥「風姿花伝」はイノベーションの大切さを説いているし、平家物語も組織の成功と失敗というテーマで見れば、別の視点が見えてくるし。。。
 私もまだまだ読書量がたりませんが、今後、こちらで、ご紹介していければと思っています。

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