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「声の悩み」殿堂入りのNo.1が入れ替わった瞬間

私のボイストレーニングは「渋谷の駆け込みボイトレ」と言われるように、声や歌に悩みを持つ方が、その悩みを解決するために来られることが多いのですが、そんな悩みの「不動の1位」と言ってよい悩みが「声が小さい」という悩みです。


ただこの度、この「声が小さい」の「不動の1位」の座を脅かすほどの「悩み」を見つけることとなりました。

明治大学での授業


先日、明治大学で英語の教鞭を執られている教授の方の計らいにより、明治大学でボイストレーニングの特別講義を行わせて頂きました。

私は日本の大学に通ったことがなかったので、キャンパスの雰囲気、教室に整然と並んだ椅子と机、必要な機能がすべて整った設備…すべてが目新しく、とても新鮮でした。

はじめて対面する、つい先日まで高校生だったであろう大学1年生との90分。

今回頂いた授業の枠は、英語の授業でしたので、私の留学での経験を交えながら「呼吸が良くなれば、英語がよくなる」と題して、かっこよく英語を話すための極意をお話しました。

▼明治大学報告ページはこちら▼

明治大学での授業

感染対策もあり、中々皆さんに本気で声を出してもらってというようなことはできない部分もあってもどかしかったのですが、英語につながるであろう呼吸法や、メソッドをたっぷりとお伝えして、90分の授業を終えました。

そして、ありがたいことに、後日、生徒さんから授業の感想を集めたものを送っていただきました。

大学生の正直な心の声を受け取ることが、嬉しくもあり、どのような反応なのかドキドキもありましたが…

意外にも、私は新たな声の悩み不動の1位をここで発見することとなったのです。

それは、「早口になってしまう」ということでした。


早口になることのデメリット


これまでも、大学教授、セミナー講師、企業経営者の方など、講義等で人前で話をする方を指導した際に、

● 授業中や講義中、頭の中にどんどんアイデアが生まれてくるので、それを早く伝えなければいけない!という思いが強くなり早口になってしまう

● 授業や講演時間にも制限があるので、つい早口になってしまう

という「悩み」は聞いていました。


ですが、今回「早口になってしまう」という悩みを「発見」した場所は「大学」。

それも大学1年生、少し前までは高校生だった人たちからの悩みであることに、ある種の驚きを覚えました。

● 緊張すると早口になってしまう

● 小さい頃から早口であることを指摘されていた


「早口」を自身の悩みにされている方が多かったのです。

特に気になったのは「早口であることを指摘されていた」ことでした。


「声が小さいこと」は、相手にとって「聞こえにくい」「聞き取りにくい」などマイナスの要素として伝わることは容易に判断できますが、

「早口であること」も同様に、相手に与える印象やコミュニケーションの部分において、マイナスに働いてしまう、ということ。

せっかちな人に見えたり、緊張しているように見えたり、怒っているように見えたり、堂々としているようには見えず萎縮している印象を与えたり…

「早口であること」は改善しなければいけないことだったのです。

それを「再認識」できたことは、私にとってとても大きなことです。

なぜなら「ゆっくり話す」ことは、私がボイストレーニングにおいて特に大切にしている「メソッド」だからです。


ゆっくり話すことの大切さ


私は、「声が小さい」生徒さんには、決して「大きい声を出して」とは言いません。

その代わりに「ゆっくり話そう」と伝えます。

なぜなら、「早口」も「声が小さい」も、その根本的な要因はどちらも「どこか自信がない自分」。

その根本的な部分に自信を持たせないと、本質的な改善にはならないのですが、いきなり「自信を持ちなさい」といっても更に意識させてしまい逆効果になりかねません。

そこで、「ゆっくり話そう」の出番なのです。

● 自信がないから、早口になってしまう

● 自信がないから、声が小さくなってしまう

どちらか一方を改善できれば、もう一方も改善できます。



● 早口で話す = 自然と声が小さくなる

● ゆっくり話す = 自然と声が大きくなる (小さくならない)

...「ゆっくり話そう」とすると、連動して「声は大きく」なるのです。



では、「早口」か「小さい声」のどちらを改善していくべきでしょうか?

それは「早口」から改善すべきです。

なぜなら...

声が小さい生徒さんに「大きな声で話して」と指導すると、ますます萎縮してしまいます。

また、「苦手」だと思っていることを、掘り下げていっても逆効果になります。



早口の生徒さんへの指導「ゆっくり話して」では、萎縮することなく、徐々に「ゆっくり」を実行、効果が出やすいのです。

…実際に、私のレッスンでその成果が実証されています。


なので、私のレッスンでは

「声が小さい」生徒さんには、決して「大きい声を出して」とは指導せず

代わりに「ゆっくり話そう」と指導するのです。


ちなみに「声が大きい人」にも「ゆっくり話しなさい」は有効です。

周りの迷惑になってるかもしれない「大きな声」も、「ゆっくり話す」と「正常値」になります。

要は、声が大きくても小さくても、「早口」の時は、余り良い精神状態ではない、と言えるのです。


「ゆっくりを話そう」は、「早口」「声が小さい」を改善するだけでなく、「自信がある自分」を作ることにも大きな武器になります。

なぜなら、「ゆっくり話せる人」は、周りから見て「安心できる人」「信頼できる人」に見えるからです。

まずは「形から」でも良いので、「自信がある自分」に近づいていってください。

小泉 誠司


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