眺める水曜日(44)6月16日

今日の遅刻には理由がある。と書くと、いつも理由なく遅刻していることがバレてしまうのだけど、さっきまで映画を観ていた。実はそんな場合ではないのだけど「見ハマって」しまった。昔からテレビの前から動かない私を母が叱るときに使う動詞「見ハマる」。最近には珍しく、動画を途中で止めなかった。

とにかく作りが可愛かった。絵本や人形劇のようなレタリングで俳優たちの名前が浮かんでくる。色も綺麗で、カットの仕方や人の動きにユーモアがあり玩具のよう。邦画だが、ウェス・アンダーソンに似ているとも思った。女性の俳優達それぞれが魅力的に撮られている。構図も面白く毎シーンに引き込まれた。

観終わって「そうだよ!コレだよ!」と思った。こういうの観たかったんだよ。調べると原作は男性だが女性の監督が脚本化していて、監督はイラストレーターや漫画家の経歴もあるらしい。だから細部にまで美術的なこだわりが。男性がモテるストーリーだがいやらしさは可愛くかわされていた。

もう10年も前の作品だった。wikiを見る限り最近の監督は漫画を中心に活動されているよう。なぜ私が惹かれるものはいつも現役から遠のいているのか。無い物ねだりか。それとも映画のように目の前の現実に滑り出す勇気がないのか。向き合うべきフィールドにおっかなびっくり、これから足を置いてみる。


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