眺める水曜日(42)6月2日

母のワクチン接種が一ヶ月ほど早まった。昼間、母が帰ってくるなり知り合いに会ったと言う。その方は母と同じ施設に通っており、緊急事態宣言の内容緩和で施設が再開することになり、スーパーで偶然会って「ワクチンを接種していないので行くのは不安」と話すと「昨日打ったわよ」と返ってきたという。

なんでも最近開業したばかりの病院へ電話したらしい。市報を見るとワクチン取り扱いリストに番号も載っていたので母のスマホで私がかけると驚くほどすんなり日時が決まった。来週に一回目を打ち、7月中にはニ回目接種後の2週間も終わっている。「オリンピックに間に合ったね」と言ったら苦い顔をした。

うちは母が看護師だったこともあり、会員制の医療機関がかかりつけだった。最初はその医院で予約しようとしたが、一回目が7月の後半になりニ回目の時期に当たる8月はなんと予約すらできない「未定」画面になったので、妹がパソコン前で奮闘し、市の大型接種会場の予約をどうにか取り付けていた。

その苦労を見ていたので電話で予約できたときはありがたいが信じ難く「大丈夫だよね?」を連呼してしまった。介護施設と連携した病院なので高齢者でも簡単にできるようにしているのだろう。妹にはもう一つをきちんとキャンセルしてもらった。やはり「ほんとなの?」とつぶやいていた。

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