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『 間 』 -西洋的な空間、日本的な空間-

「空間」は「空(から)の間(ま)」であり、 

空間、時間、人間という間を横断する話を、2年越しに再び聞けて、今度は身体感覚を持った「わかる」という感情を想起出来たのが嬉しかった。

ヴェルサイユ宮殿


今年の1月にヴェルサイユ宮殿の、西洋の鳥瞰図的な広大な土地をこの足で歩いてみて(真冬だった)、その広さに驚愕した。
(しかも、宮殿の竣工当時の絵画を見れたのだが、現在の何倍もの土地、緑の深く生い茂る「森」を、人間の手で全て征服するかのように区画整理がなされていて、そのパワーにも参った。)

そして、そんな庭園を「神の視点」であると説明された今回の講義を聞いて、そうか、唯一神だからできた西洋の、絶対的権威の象徴なのか、と自分の中の疑問が綺麗に言語化されてすっきりした。

広重の浮世絵

また、絵画について、
広重の絵は「点火剤」である、と、美術評論家の赤瀬川原平は言った。
つまり、人々(特に現代人)の奥底にある世界の根源的な美しさを、生物としての目、レンズを以て補正し記述する彼の絵は、無意識の美的感受性という爆弾の起爆スイッチであると言うのだ。
(雨の直線的で勢いのある描き方など、ゴッホや印象派など西洋の画家にも衝撃を与えたほどである。)

いやあ、上手いなあと、広重と、それを言語化した彼に対しても思う。
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江戸時代、西洋よりも早く大衆に伝わったそれらの「絵」というメディアは、その分多くの時間をかけ洗練されるというアドバンテージが功を奏して現代のマンガ、アニメ文化へと花開いた。

それはそれは大きな、これもまた日本人が無意識に享受している、連綿と紡がれる過去からの贈り物である。

そう、歴史は繋がっているのだ。

資金を貯め、学生中に半年かけ世界を回れた1番の収穫はその、
万物は「関係」している、という、その「間」を知ることが出来たことかもしれない。


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