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[100](16/100)パラサイトはドキュメンタリーか『韓国 行き過ぎた資本主義』を読む

2017年05月ムン・ジェインが大統領となって、この国は大きく変わってしまった。

韓国は財閥中心に経済が動く社会だ。以前から大卒とそれ以外の経済格差が大きかった国だが、財閥大企業の会社員の半分が毎年契約を更新する契約社員だという。

年を追うごとに「持てるものと持たざるもの」の差が広がっている韓国。

この本を読んだ後に

映画『パラサイト』は現実なんだなぁ

という思いが広がって、

この国大丈夫か?

と心配になった。

度を超えた学歴社会

この本には聞き慣れない単語がたくさん出てくる。

イン講
先行学習
一打講師
入試代理母
金のスプーン
金ターン
N放世代
考試テル
起承転チキン
雁パパ
エドュプア

いずれも、行き過ぎた学歴社会を表す隠語だ。読んでいて憂鬱な気分になる。

下からの経済政策

たしかにムン・ジェインの前の大統領朴槿恵の政策は「うえから」だった。朴槿恵自体が、朴正煕の娘という特権階級の人だ。経済政策のコンセプトは大企業にお金を流し込むことによって、中小企業にお金が落ち、経済が潤うというもの。このスタイルの経済政策を取る国は日本を含めて多い、というか経済政策のセオリーでもある。

しかしムン・ジェインの経済政策は「下から」だ。非正規雇用の正規雇用への積極転換、最低賃金の大幅引き上げ、労働時間の制限。

いずれも聞こえのいい政策だが、2年経った今効果的な政策とはなっていない。労働者に過度に都合の良い政策は、経営を圧迫する。最低賃金が上がってしまったことで、中小企業や商店は雇用をしなくなり、倒産が増え外資系企業は韓国から脱出し始めた。

その国をどの方向に進めていくのか、それを決めるのが政治家であり大統領であろう。国民主権を履き違えたポピュリズムが幅を利かせると、こうなっちゃうという例なのだろう。

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