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“普通”の隣でいい。|ミュージカル『next to normal』
こんにちは。おちらしさんスタッフ、清水です!
■はじめに…
突然ですが、皆さまは、
「“普通”って一体なんだろう…?」
こう感じたことは、ありますか?
質問を投げかけた私自身、そう思ったことは何度となくありましたが、
つい最近、この問いの答えを教えてくれた、“ある”ミュージカル作品と出会いました。
その作品とは…
ミュージカル『next to normal』
です!
■ミュージカル『next to normal』とは?
![](https://assets.st-note.com/img/1650441303002-oYF2VxY4w0.png?width=800)
“おとぎ話みたいに非日常的で、華やかに歌って踊るのがミュージカルでしょう?”
と、よくイメージされる、所謂“ミュージカルらしい”作品でないのが、この『next to normal』。
まず〈ストーリー〉は、
母、息子、娘、父親。普通に見える4人家族の朝の風景。
ダイアナの不自然な言動に、夫のダンは優しく愛情をもって接する。息子のゲイブとダイアナの会話は、ダンやナタリーの耳には届いていないように見える。ダイアナは長年、双極性障害を患っていた。娘のナタリーは親に反抗的で、クラスメートのヘンリーには家庭の悩みを打ち明けていた。
益々症状が悪化するダイアナのために、夫のダンは主治医を替えることにする。新任のドクター・マッデンはダイアナの病に寄り添い治療を進めていくが・・・。
〈 登場人物 〉は…
※写真はすべて公式ホームページよりお借りして紹介させていただきます!
◆ダイアナ
![](https://assets.st-note.com/img/1650341550430-OxBIxpk2bk.jpg?width=800)
◆ゲイブ
![](https://assets.st-note.com/img/1650341934875-AJNMghbiyQ.jpg?width=800)
◆ダン
![](https://assets.st-note.com/img/1650342009309-cZvWXtFkoc.jpg?width=800)
◆ナタリー
![](https://assets.st-note.com/img/1650341692033-48kmseaH9F.jpg?width=800)
◆ヘンリー
![](https://assets.st-note.com/img/1650341756570-NknUsHfRYO.jpg?width=800)
◆ドクター・マッデン/ドクター・ファイン
![](https://assets.st-note.com/img/1650341805315-fOgQ3s7364.jpg?width=800)
主役のプリンシパルがいて、アンサンブルが何名もいて大所帯!
というような人数ではなく、上記でご紹介した、たった6人で展開されていきます…!
![](https://assets.st-note.com/img/1650343092354-h7rSXsjk7a.jpg?width=800)
■『next to normal』はいわゆる“ミュージカル”ではない…!?
この『next to normal』は、舞台となるのも自宅や病院、学校など、ありふれた日常的な場所です。
内容も端的に言ってしまえば、双極性障害を抱える母親と、その家族の物語。
華やかなダンスシーンやショー等は一切なく、そこにあるのは、まさに日常”のリアル。
それから、よくイメージされるミュージカルの演奏といえば、オーケストラ!
…かと思いきや、
この『next to normal』では、なんと、バンドが入っています!
![](https://assets.st-note.com/img/1650343254764-BaeQznpJtt.jpg?width=800)
そう、すべてがコンパクトな構成なんですよね。
「え?それだったら、お芝居(ストレートプレイ)でいいじゃん?」
そんな声が聞こえてきそうですが、このミュージカルの構成は、80%くらいが歌、残り20%ほどが台詞と、大半が歌で綴られています。
なんといっても、シチュエーションと楽曲のテイストやメロディーのハマり具合が、とにかく絶妙なのです…!
心の叫びを表す、ロックのような激しい楽曲や、
心情の変化が転調することでよりリアルに伝わってきたり、
抱える孤独が静かなメロディーにのせられていたり…。
「え?このストーリーでロック?」
そう思った方には、ぜひ騙されたと思って、この楽曲を聴いてみてほしいです!
こういった魅力的な楽曲たちがあるからこそ、『next to normal』は歌で多く綴られたスタイルの“ミュージカル”なのか…!と、実際に観劇すると、その効果的な“作用”に心奪われることでしょう…。
■『next to normal』のテーマとは…?
楽曲がとても良いので、ついつい曲の話をしてしまいましたが…
本題に戻ります!
ここまでの話で、ミュージカル=キラキラしたイメージ、というものとは、まるでかけ離れている作品だということが、これだけでも伝わるかと思います。
そんな、『next to normal』のテーマが、まさに、
「何が普通で、何が普通でないのか?」
だったと、私は感じたのですが、この作品でのその答えは、
「“普通”の隣でいい。」(「next to normal」)
というものでした。
最初はこの台詞を聞いても、そもそも「普通」なんて、なにを指標にするのか、なにをもって一体「普通」というのか…?
そんなことが頭をぐるぐるしていましたが、
その家族にとっての“ベスト”な形、幸せの形が見つかれば、それでいい。
これが作品においての答えなのだと、私は感じました。
そして、これは家族に対しての問いのみならず、「“普通”って一体なんだろう…?」という私の疑問も晴らしてくれました。
例え、それが所謂“普通”と言われるものや、“一般的”とされるものでなくても、自分にとってベストなこと・幸せなことであればいい。
そんなメッセージと共に、背中を押してもらったような気持ちになりました。
『next to normal』
それはつまり、
「“普通”の隣でいい。」
ということ。
そう、タイトルがすべて物語っていたのですね…。
気づいたとき、まるでノックアウトされたかのような衝撃を受けました。
決して派手ではなく、壮大な作品ではない。
それなのに余韻が物凄い。深い…。凄い、ミュージカルでした…。
このミュージカル『next to normal』は先日東京千秋楽を迎え、間もなくツアー公演がスタートします。
正直、全ての皆さまにオススメです!ぜひ観劇してください!
とは言いにくい作品かもしれません。
それは、今送っている生活環境によっては、境遇が重なってしまい苦しい気持ちになってしまう方もいらっしゃるのではないか、思うからです。
それでも、この作品の持つ強いメッセージ性、エネルギー、センシティブさ、楽曲の持つ力、効果的な色使い…。
ぜひ実際に、劇場で体感してみて欲しいです!
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以上、今回はミュージカル『next to normal』の話をお届けしました!
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!
おちらしさんミュージカル部(@nevula_musical):しみず
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