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音を見る。言葉を聴く。|東京都現代美術館「クリスチャン・マークレー」展

こんにちは!スタッフの望月です。
#おちらしさんで発見」ウィーク、最終日です!

今回は、1月の締めくくりとして行ってきた
「クリスチャン・マークレー
トランスレーティング[翻訳する]」
という展覧会についてお話しします。

こちらの展覧会は東京都現代美術館[MOT]にて、2月23日まで開催中です。

他にも2つの特別展開催中。
(MOTコレクション展は休室中です。)

日本の音楽シーンにおいて欠かせない革新的なアーティストである、クリスチャン・マークレーの国内初の大規模な展覧会です。

みてください、このど迫力のチラシ。

英語のオノマトペが顔全体を覆い尽くす、斬新なビジュアル。一度見たら目を離せないほどの迫力です。 こちら、「フェイス(恐れ)」という作品がチラシデザインになっています。

アメリカのミュージシャン、そして芸術家でもあるクリスチャン・マークレー。

彼のパフォーマンス映像です。
初見の衝撃、がつんときます…。
いくつものレコードが次々と入れ替わり流れ、重なり、共鳴する音楽パフォーマンスは、まるでレコードが会話をしているようです。

矛盾してるようだけど、私は音について、それがどう聞こえるかということだけでなく、どう見えるかということにも興味があるんだ。

展覧会HPより

マークレーがインタビューで言った言葉です。

彼のテーマは「感覚の翻訳」。
既存のイメージや音を抽出し再利用するサンプリングという技法を使い、世の中に存在する様々な要素を違う要素へと「翻訳」することへの可能性と矛盾が、作品に表現されています。

今回の展覧会では、
その世界観を全身で感じることができました。

工場で鳴り響く音をコラージュさせたものや、無音の中でスクリーンいっぱいにオノマトペか映し出される空間、音をペイントで表現した絵など、どの作品も耳から離れない、目が離せない、言葉を発する隙も与えない…。
クリスチャン・マークレーの世界は実験的かつ革新的で、一瞬でわたしの心を奪っていくものでした。

本当に、会場全体がひとつの音楽でした。

日本の漫画を題材にした作品もありました。
日本のカルチャーとマーキュレーの世界観の融合も見ることができます。


そして、わたしが一番印象に残っているのは、
展覧会を見終わった後の余韻です。

会場を出て、ロビーの椅子に座り、人々や景色を眺めていました。
そうすると、美術館を行き交う人々の表情や話し声、外の草木や彫刻の色や形がから、メロディーが聴こえてくるような、見えてくるような、音楽に包まれている心地に陥りました。

今まで感じたことのない、
「世界が音で溢れる瞬間」でした。

展示の最初から最後まで、音と物質と言葉の境界線が曖昧で、視覚から音を感じたり、音から色を感じたりと、たくさんの新しい感覚と出会える、貴重な体験でした。
そして、その体験が日常に戻った今でもわたしの中に残っていて、「この味、この色、この音楽は、わたしの中でどんなイメージに置き換えられるだろう」と、無意識に想像するようになったのでした。

ああ、こうやってマークレーの世界はわたしの中で続いていくんだなと思いました。

いつかまた、彼の作品を肌で感じたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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