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キングオブコントの話。

こんにちは、スタッフの島田です。
相変わらずお笑いに関する内容になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

もう一か月ほど前の話題になってしまいますが、キングオブコント2021をテレビで鑑賞しました。
方々で言われていますが今年は特にレベルが高く、私自身も鑑賞後はとてつもない充足感がありました。

既に鑑賞されている方には「今さらかよ!」と思われてしまうような内容かもしれませんが、「今回のキングオブコントを観ていない」、「っていうかこれまでの大会も別に観た事がない」という方への紹介をしつつ、自分の備忘録として書き残しておきたいと思います。

昨今のお笑い界隈はBPOが「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」について審議対象とすることを決定したり、「誰も傷つけない笑い」という言葉が話題になったりしていて、一つ新しいフェーズに突入しているような状況です。

それ自体の是非や主観についてここで論じるつもりはありませんが、そういった流れの影響もあってか、今年のキングオブコントはこれまでと少し毛色の違うネタを持った芸人が決勝戦に上がってきた印象があります。

お笑いのネタについて乱暴なほどシンプルに表現をすると、漫才の場合は『ボケ』と『ツッコミ』によってやりとりが行われ、コントの場合は『変な人』と『常識人』という形でお話が展開されていくのがスタンダードです。

『ボケ』や『変な人』は、いわばマイノリティである事が多く、『ツッコミ』や『常識人』はその逆で、マジョリティである事が多いです。
マジョリティがマイノリティに正論をぶつける事で、客席やお茶の間にいるマジョリティが笑う、という構図ですね。

ただ、今回のキングオブコントではその一歩先のネタを多く見れたような気がします。

準優勝となった男性ブランコのネタでは、一見コミカルに仕立て上げられたキャラクター自体を笑いの要素にするのかと思いきや、実際はその逆の描き方をしており、その上で展開も工夫がされているので、これまでのネタのトレンドとは少し違った印象でした。

男性ブランコのコント「ボトルメール」


同率で準優勝となったザ・マミィの一本目のネタも、一見マジョリティを対象にして笑いを生み出していくのかと思いきや、かなり戯曲的な要素を含んでいます。

ザ・マミィ「この気もちはなんだろう」【キングオブコント2021決勝】【公式】



圧倒的な点数で優勝した空気階段の一本目も同様に。
冒頭の強烈すぎる画からは予想の出来ない展開で、会場に爆笑の渦を巻き起こしました。

空気階段「火事」【キングオブコント2021 決勝披露ネタ】


その他にもピックアップしたいネタはいくつかあるのですが、いずれにしても今回の大会は何か一つの対象で笑いを作っていくのではなく、シチュエーションや登場人物のやりとりで展開していくネタが多くあり、そこが戯曲的というか、演劇的な部分も多くあるという印象を強く受けました。

以前に【演劇】と【お笑い】がどんどんボーダレスになっている感覚があると書いた事がありました(【配信公演観劇しました!】ダウ90000 第2回本公演「旅館じゃないんだからさ」)が、今回のキングオブコントを観て、さらにその感覚が強くなりました。

今回紹介した中で言うと、準優勝の男性ブランコの二人はもともと大学の演劇サークルで知り合い、二人ともラーメンズのファンであるという共通点があったりします。

また、12月に草月ホールで開催される単独公演は3公演とも完売しており、これからのさらなる勢いを感じるコンビです。
会場チケットは既に完売してしまいましたが、配信チケットは絶賛販売中ですので、もし宜しければチェックしてみて下さい。


キングオブコントの話からなんとな~く演劇の話に寄せてみましたが、
私自身、演劇とお笑いの線引きについて特に明確に意識しているわけではないので、今後もジャンルをボーダレスに行き来しつつ、オススメの紹介など出来たらと思います!


ではでは、この辺で。


しまだ(@nevula_shimada

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