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甘いおとぎ話にダークな一面【新国立劇場バレエ団「コッペリア」】

こんにちは。おちらしさんスタッフのしみちゃんです!

先日、新国立劇場バレエ団が無観客ライブ配信を行っていた「コッペリア」。皆さまはご覧になりましたか?

というのもこちら、緊急事態宣言の影響で中止となってしまった公演をキャストごとに全4回、すべて無料にて配信してくださっていたのです!

ニュースによると3公演目までの視聴者数の合計は、なんと12万人に上ったとのことですから、視聴されたおちらしさん会員の方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか?私は千秋楽である4回目の公演を自宅のパソコンから観ておりました!


「コッペリア」はさまざまな演出があり、今回のローラン・プティ演出は1975年にフランスで生まれました。お話の主役は村娘スワニルダと、彼女が思いを寄せる青年フランツ。村人たちで賑わうダンスシーンや二人のパドドゥなどまさにバレエらしい華やかな雰囲気でスタートします。

小野絢子さんが演じられるスワニルダは、甘いものをギュギュッと詰めこんだかのようなとびきりの愛らしさが特徴的。それでいてどの動きも軸が一瞬足りとももブレないので、隙のない美しさを見逃すまいと常に目で追ってしまいました。

そんなキュートなスワニルダであっても、彼女には恋のライバルがいるのです。なんとフランツはスワニルダもそっちのけで、コッペウス邸の窓際に見えるコッペリアという女性に惹かれているのでした。家主コッペリウスが落とした家の鍵を見つけたスワニルダは、思わずコッペリアの正体を確かめるため玄関から忍び込み・・・というように物語は進んでいきます。

可愛らしいセットやお衣裳で彩られた、可愛らしい登場人物による、可愛らしいおとぎ話。バレエをほとんど観たことのない私は、「白鳥の湖」に始まる数々の有名作品をそんなふうにイメージしていました。もちろん「コッペリア」もその一つです。しかし、美しく愛らしい夢の世界であるからこそ、ちょこんと隠された毒や現実の効き目が凄まじく発揮されるということに、今回ようやく気づくことができました。おとぎの物語が続くような多幸感と、二度と夢の世界には戻ることのできないもの悲しさ。その二つが同時に存在し、同時に胸に迫ってくる。このアンバランスさがとても面白かったですし、たとえ配信であったとしても、劇場で観劇するかのごとく前のめりな気持ちで楽しめたのは素晴らしい体験でした。


さて、新国立劇場バレエ団は6月にも新たな公演を行います。それが「ライモンダ」です。「コッペリア」に出演されたキャストの方々、そして演奏されていた東京フィルハーモニー交響楽団の迫力を、満を持して生で味わうことができます!私もついに知ってしまったバレエの面白さを、今度は劇場で体感したいです。

新国立劇場バレエ団 「ライモンダ」
期間:2021年6月5日(土)~13日(日)
会場:新国立劇場 オペラパレス

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