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【展覧会レポート】演劇好きにも薦めたい「みみをすますように 酒井駒子」展に行ってきました。

みなさま、はじめまして。スタッフの望月です。
4月から新入社員として、ネビュラエンタープライズで働いております。よろしくお願いします。

今回、私がご紹介する展覧会は「みみをすますように 酒井駒子」展です。

酒井駒子さんの絵は、絵本であったり本の装丁であったりと、多くの人が一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。そしてその誰もが、彼女の絵に、一度は立ち止まってしまったことがあるのではないでしょうか。

どこか違う世界に迷い込んだような不思議な美しさと、そっと寄り添ってくれるような優しい温かみのある酒井さんの作品に、わたしは小さなころから魅了されてきました。


そんな酒井駒子さんの初めての大規模な個展!「行かない」という選択肢はありませんでした。

本展は立川駅徒歩10分にあるPLAY!MUSEUMで開催されています。グリーンスプリングスという大きな施設の中にある美術館です。

グリーンスプリングスは昨年四月にオープンした施設で、緑や水を感じられる広場があったり、ところどころにパブリックアートがあったりと、とても居心地の良い空間となっています。カフェやレストラン、ホテルや保育園(!)も常設されているようです。

展覧会を鑑賞した後にほっと一息お茶をするも良し、知的好奇心に拍車がかかったら施設内で散歩をして新たな発見を探すも良し。立川のおすすめスポットです。

酒井駒子展2

酒井駒子展3


前置きが長くなってしまいましたが、ここから「酒井駒子」展の様子と魅力を共有させて頂きます。

 ロビーでチケットを買った際に特典として紙ファイルがもらえます。酒井さんの絵があしらわれている、小さめの可愛らしいファイル。会場内のところどころに言葉が書かれた紙がおいてあり、それを集めてこの中に入れていくようになっています。

紙を集めて、立ち止まって読む、眺める。ささやかな体感型展示は、酒井さんの作品の中に自然と入り込んでいく感覚を覚えます。

会場に入ると、ふわっと木の香りに包み込まれます。建築家の2m26が手掛けた会場デザインも魅力のひとつです。

作品が飾られている木製の柱やボードと、木漏れ日のような照明演出で、まるで森の中を散歩してるよう。会場いっぱいに広がる木の温もりは、酒井さんの切なくも優しい作品と調和し、入場した瞬間から心地よい空気感を味わうことができます。

酒井駒子さんの作品の特長として、黒の下地の上から絵を描いていくという手法があります。絵の具のかすれや塗り残しによって黒色が表情を出し、優しいタッチの作品に存在感を与えるのです。本展ではそんな酒井さんの手がけた原画を、約250点に厳選し展示されています。

登場するものの表情やしぐさの、胸がぎゅっとするような愛おしい一瞬一瞬が描かれる酒井さんの世界。多くの人に見て頂きたいです。

見出しに「演劇好きにも薦めたい」と書きました。

実は酒井さん、大学時代にずっと演劇をやっていらしたそうなのです。

絵本と芝居の共通点。酒井さんの作品が演劇の影響を受けていると思うと、展覧会も違う角度から感じることができ、演劇が好きだからこその作品の雰囲気や繋がりが見えてきます。そんなことを思いながら歩く展覧会、なんだか少し特別な気持ちで作品を鑑賞しました。

好きなものと好きなものが結びつく瞬間って、とてもわくわくしますね!

酒井駒子ワールドに包まれて、幸せな気持ちになった1日でした。

「みみをすますように 酒井駒子」展は、PLAY! MUSEUMで7月4日(日)まで開催されています。その後神奈川県の横須賀美術館を巡回し、9月にまたPLAY! MUSEUMで再掲示される予定です。

2021年4月10日 (土) ~ 7月4日 (日) PLAY! MUSEUM(東京・立川)
2021年7月10日 (土) ~ 9月5日 (日) 横須賀美術館(神奈川)
2021年9月18日 (土) ~ 11月14日 (日) PLAY! MUSEUM ●再掲示
2021年12月11日 (土) ~ 2022年1月30日 (日) 長島美術館(鹿児島)

巡回する展示場所によって作品の表情が変わってくるのも、展覧会鑑賞の醍醐味ですね。9月に立川で再掲示があり、東京在住の私には嬉しいところです。

お近くの方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

訪れた方はぜひ感想をお聞かせください(^^)

最後までお読み頂きありがとうございました。

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