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小学校の先生になるまで。 日本横断⑤

沖縄での日々はあっという間であった。
沖縄にいる間は、村長や帰国子女トシなどパンチの効いた人と交流することが多かった。

前回の記事は、こちらから↓

夏休みということもあり、観光客やバイク、自転車などで日本を旅している人にも多く出会い、質問に協力してもらった。


求められるものと現場の現実

「あなたが考える良い教師とは、何ですか?」
この問いに、6〜70歳までの100名超の男女に答えてもらった。

■個性を伸ばしてほしい
一人一人に寄り添ってほしい
■子供と目線を合わせてほしい

上記の内容が多かった。
多くの人と話していて、教師の必須条件に求められているのは、子供に寄り添うことや情熱であった。他の条件は人それぞれだが、自分にはない視点もあったので学びになった。

書いてくれる人の多くは、そんな先生に会いたかったという人が多かった。話をしている中で自分の事を見て欲しかった、理解して欲しかったという声をよく聞いた。


子供は自分の事を見てほしいし、褒めてほしい。さらに、一人一人の個性まで伸ばすとなると、40人学級では相当厳しいように思える

そうは言っても現状の環境の中でやるしかないので、私が教員をしている時は、慌ただしい毎日の中で一人一人を見ることが難しく感じたので、毎日一人一人に日記を書かせてコメントをして文面上で1対1の交流をしていた。

全てを読んで、コメントをすることは大変な作業であったが、日記を読むと児童の普段見えてこないことが分かって、児童理解に大いに役立った。しかし、40人近い子供を見るということはそれでも厳しい。テストの採点や通知表の量も膨大だ。

今年に入り、やっと公立小学校の学級人数の上限を全学年で40人から35人に引き下げる改正義務標準法が参院本会議で成立したというが、それでも35人という数は多い。驚いたことに、複数学年での上限引き下げは41年ぶりということだ。

41年間の中で社会は変わっているのに、教育現場の変化はゆっくりだ。一般企業なら、時代の流れを感じ取り、時代に合わせた運営をしていかないと潰れてしまう。教育も時代の流れに合わせて変えられる所は変えないと、教えていることが社会とズレたものになってしまう。

地震、火事、雷親父

年配の方の多くは、叱ること恐さを先生に求めていた。
驚くべきことに、学生(小学生〜大学生)の間でも叱ってくれる先生を求めている人も多かった。真面目にやっている学生からすると、授業や学校生活に支障をきたすような行動をする子から学習環境や学校生活を守ってほしいのだろう。

なぜ、学生たちは叱られることを望んでいるのか。現代の先生は、叱ることが少なくなってしまったのか。子供や保護者に後から何かを言われることが面倒で叱らないのか。

悪いのは、行動であって、その本人の人格でない。良いことは良い、悪いことは悪いと、社会のルールを教えるのが学校や家庭教育の役割ならば、子供の為と思って叱らねばならない。

このように書いている私も教員時代に子供に注意して、嫌な顔されたり、陰口を言われたり、言うのが嫌だなと思ったことがあるから熱を失ってしまった教員なら尚更であろう。

面倒だと思って、見過ごすくらいなら自分の為にも子供の為にも辞めた方がいい。熱意に満ちた新しい教師たちが毎年次々誕生するので、席は空けた方がいい。しがみ付くものでもない。


沖縄生活もあっという間に過ぎ、私の夏も終わりを告げようとしていた。

東京行きのフェリーに乗り込み、
色々な人の顔を浮かべながら沖縄を後にした。

出逢った全ての人に感謝する。


写真で見る 「あなたが考える良い教師とは、何ですか?」

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