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小学校の先生になるまで。 東南アジア旅③

前回の甘酸っぱい夜から一夜開けて、これからどこに行こうか考えていた。

旅行本やネットなどの情報無しに旅をしていると、現地で人から情報を集めないといけない。

別れ際にミキから日本人宿なら情報収集できるよと言われ、日本人が多く泊まりにくるゲストハウスに宿を取ることにした。


タケオゲストハウス

宿に着いて、広間でゆっくりしているとコウジとカツさんという2人に出会った。コウジは大学生で、カツさんはカメラマン。コウジは自分の生活圏内にいないようなタイプ、カツさんは10歳も年が離れていたので色んな事を教えてくれた。

いつもの生活圏内では会えない人たちに会えるのは、旅の一つの醍醐味だ。

何も海外じゃなくても、日常の生活圏内から飛び出ることで普段会わないような人に会える。それが自分の世界を広げる。そうやって、人と会うことで世界を広げていく。海外に行けなくても世界を広げることができる。


カンボジアでは、コウジとカツさんと行動を共にして、道端でビールを飲みながらカンボジア人とよく話をしていた。現地では、AjinomotoのCMがよく流れていたので、そのCM内で少女がポーズを決めて「アジノモト、オイシイネ」と言う姿を、暇そうな物売りや客引きに見せてその反応を楽しんでいた。

現地の生活にお邪魔して、その国の人と交流して国を知ることが海外を旅する楽しさだと私は思っている。日本にないものを求めて海外に行くのなら、その土地の人と話して、その土地の物を食べる。至ってシンプル。

アンコールワット

カンボジアといえば、の場所がある。そう、アンコールワットだ。日の出に照らされた遺跡が美しく見えるということで、薄暗いうちに宿を出てアンコールワットに向かったが、曇っていて美しい姿は見れなかった。

その中でも、タ・プロームという森の中にある遺跡は印象的だった。遺跡に絡みつくように覆い被さるガジュマルの木、自然と遺跡が共に時間を過ごしてきたことが伺えた。

心が躍っていたが、写真撮影用の真新しい場所があって興醒めしてしまった。遺跡に求めることは人それぞれ違うと思うが、私はなるべく手付かずで自然と歴史を感じられるものが好きである。

遺跡観光はすぐさま終わりにして、メコン川の辺りでビールを飲んで現地の人とくだらない事をする。現地の物価からすれば高い遺跡への入場料20USDを払ったが、人と交流してる方が性に合うことが分かった。


湖上に浮かぶ村

トレンサップ湖という東南アジア最大の湖の上に暮らす人たちがいるというので、それを見に行くことにした。

観光客の乗る船で働く少年について話したい。年齢は10歳くらいで、乗客の荷物持ちやガイドをしていた。彼は流暢に英語を話すことができたので、気になって何故そんなに英語が話せるのか聞いた。

英語ができないと仕事がないから、英語を覚えた。

去り際に、船から降りようとすると彼はガイド代を要求してきた。すでにこちらは船に乗るのに料金を支払っていたのでオカシイと思ったが、よくよく考えてみると少年は金を稼ぐ為に勝手に観光客用の船に乗りガイドをしていたのだ

他にも、蛇を自分の首に巻きピースサインをして、写真を撮らせる代わりにお金を要求してくる少年、湖上に浮かべたタライに乗りながら物を売る少年など、みんな頭を使って必死に生きていた。

自分の日常にはない景色だったので印象に残っているが、ここに住む人たちにとっては日常の一コマに過ぎないのだ。

日本の教育では、「生きる力」を身に付けると言っているが、生きる力は必要に迫られれば自然に身に付く。早いうちに社会に出させるか、大学生になったら島国から出て見聞を広める制度を設けた方がよいかもしれない。


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