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目玉焼きに何をかけますか? (LGBT編)

今回は、世界の国々で体験したLGBTの人達について書いていく。
最後では、自分の受け持っていた子供たちにLGBTQの話をしたことも書いてあるので、是非最後まで読んでいただければ幸いである。

生き方を貫くヒジュラ。 (バングラデシュ)

バングラデシュの地方都市で行われている祭りに行った時、
ステージ前方で踊っていると、横からいきなり手が伸びて股間を揉まれた。

現地の友達に話を聞くと、
彼らはヒジュラと呼ばれ、第3の性の人と言う。

ヒジュラの中には、女性服(サリー)を着て化粧して街を歩いて踊りを見せて見物人からお金をもらって生活している者もいる。

何度か街を歩いている時に出会ったが、ドラッグクイーンなど華やかなニューハーフと比べると、女装はしているものの、眉と口紅を描いているくらいで男の姿にしか見えない。

彼女たちは、自分たちが見せ物になっている認識があるので見物人に詰め寄り、「見てたんだから金をよこせ」と野太い声で金を取りに行く。彼女らはそれで生計を立てているので、それまでの陽気な様子とは違い、圧巻の凄みで詰め寄ってお金をもらう。

イスラム教が90%の国で生き抜く彼らは、とにかくタフだ。
イスラム教色が強い地域によっては、殺されてしまう者もいる。それでも彼女たちは、生き方を貫くために必死に見せ物として生きている。


英語の先生たち (フィリピン)

フィリピンに語学留学をしていた時、
語学学校の男性スタッフはゲイ(男性同性愛者)の割合が多かったので、仲良くなったゲイの先生から、色んな話を話してもらった。

彼曰く、ショッピングモールですれ違った男性からゲイ同士が分かるサインをキャッチしたので、二人でトイレにしけ込んだそうだ。コトを終えると、いきなり殴られて財布から金を取られて、去り際に唾を吐きかけられたと笑いながら話していた。

自分の父親にカミングアウトした時も、何度も殴られたと言っていた。父親世代には、なかなか受け入れられなかったと言う。他の子よりも勉強を頑張って稼ぐしか自分が認められる方法はなかったそうだ。

認めてもらえない社会で生き抜いていく為に、彼は辛いことを笑いに変え、スキルを身につけて学び続けている。

クマさんのディープキス。 (オーストラリア)

仕事が見つかるまで、ゲイの友人2人と3人で一軒家に暮らしていた時のことだ。有難いことに、ゲイのホームパーティーに招待してもらえる機会が多かった。

初めて行った時に、180cm以上ある筋肉隆々の髭をモッサリ生やした熊のようなカップルのディープキスには衝撃を受けた。圧巻の光景ではあったが、普段見慣れている男女同士のキスと同じように、そこに愛を感じた。

愛のない薄っぺらい男女のキスよりも遥かに愛に溢れていた。
愛に、性別なんて関係ないと感じた出来事だった。

2017年、国として正式に同性婚の合法化をしたと友達から連絡が来たときは、心からうれしかった。

ブダペストの丘で(ハンガリー)

ブダペストの街が一望できる丘の上でのんびりしていると、ライターを持っているかと隣の2人組に声をかけられた。

スイスから来た彼女らと話しているうちに、レズビアン(女性同性愛者)だという事が分かった。職業は何をしているのか聞かれて、その当時小学校の先生をやっていたので伝えると、子供達に伝えてほしいと言われた。

欧州では、LGBTQへの理解が進んでいるイメージがあったので、周りの人から差別を受けるのか聞いた。彼女たちは、「ヨーロッパは進んでいると思うけど、それでも差別はある」と答えていた。「小さい時の教育次第で変わるから、学校でも是非教えてあげてほしい。」と言われた。

大人の自由研究

夏季休業中にブダペストに行ったので、夏休み明けの自由研究の発表時に子供に混じって、大人の自由研究を発表することにした。スライドでヨーロッパについての発表をしながら、LGBTQについて目玉焼きに例えて話をした。

みんなは、目玉焼きに何をかける?
塩、胡椒、醤油、ソース、マヨネーズ、ケチャップ、酢、何もかけない、など様々な意見が出た。

醤油の子に、マヨネーズの子についてどう思うと聞くと

醤油の子 「いいんじゃない、俺は醤油が好きでそれを食べれるんだし」

マヨネーズの子「私はマヨネーズが大好きだから、それがあればいい」


今度は、ケチャップの子とソースの子に両方に聞いてみると、

ケチャップの子「えー、おかしい。あり得ねぇ。」

ソースの子「でも食べるのは、俺だから関係ないよね?○○君は、
      ケチャップで食べれるんだからいいんじゃない。」

ケチャップの子「確かにそうだけど、、」

「自分の好きな物で食べられるなら、それでいいんじゃないの?」という声が多かった。


人の中には、男性(女性)が男性(女性)を好きな人や、体が男性(女性)で心が女性(男性)の人、両方好きな人もいたりする。そして、自分は何が好きなのか迷っている人もいる。

目玉焼きと一緒で自分が好きな物を選ぼう。他の人に何か文句を言われても自分が好きなものを食べればいいんだよ。

と話をした。


LGBTQ+の割合は、日本の人口の8.9パーセント(※1)。これは左利きの人と同じくらいの割合。他の機関が調べた割合は異なってくるので、正確な割合は試算できないが一定数いるのは間違いない。
※1…電通ダイバーシティ・ラボ「LGBT調査2018」

学級もしくは学年、学校に一人以上は必ずいると考えると、知識の入り口として教える必要があると思う。凝り固まった頭になる前に、そういった人たちの存在を教える必要があると思う。

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