小学校の先生になるまで。 日本横断④
前回、フェリーでの刺激的な人たちとの交流を終えて、そのうちの3人で沖縄をバイクで回ろうと約束をして、下船した。
沖縄の空はやけに広く見えた。
高校生の修学旅行で来た以来の沖縄の景色は、
あの頃と違ってなんて自由なんだ。
沖縄を色々と周りながら行く先々でインタビューをした。
非日常的な場所にいるせいか、協力してくれる人が多かった。
私も心の窓を全開に開けて、声をかけていった。
最高な出逢いがたくさんあった。
その中でも、次の旅先を海外にしようと決めた出逢いが印象深い。
逆輸入のトシとの出会い
ゲストハウスのリビングに行くと、外国人が集まっていたので例の質問をしていた。そこにトシはいた。トシは、私より一つ上だったので、初対面だし敬語を使って話していると、トシは真顔で敬語はやめてくれと言い、こう話し始めた。
ブラジルで生まれ育ち、12歳まで現地の学校に通っていて、中学校から日本の学校に入学をした。初めにタメ口で上級生に話しかけたら、上級生と喧嘩になって先生からは先輩には敬語で話しなさいと言われたが、意味が分からなかった。尊敬もしていないのに、歳が一つ早いだけでなぜ敬語を使わなきゃいけないのか理解できなかった。
文化や育った環境でそうまで違うのか。
当たり前のこと過ぎて、敬語について深く考えたことがなかった。敬うに値するから敬語を使うのが、本質的といえば本質的だ。先生もなぜ使うかを納得できるように説明できなかったのだろう。
続けて、トシは言った。
色々なものを見て、視野を広げてもっと世界を知ってほしい。
日本の当たり前は大事だけど、それが全てではない。
世界は大きい。
この言葉が深く刺さった。
自分の目で世界を見てみたいと思うようになった。日本の当たり前だけに縛られるんじゃなくて、日本以外の国を見てみたいと強く思うようになった。
その数年後に、海外に住むことになったのも必然的だったのかもしれない。
村長志望「かっちゃん」
他にも、「かっちゃん」という村長志望のおじいさんにもあった。社会から見れば、変わった近寄り難いファンキーなおじさんなのだが、クセのある人ほど、惹かれてしまうのが私の性みたいだ。
かっちゃんは沖縄のどこの村か忘れたが、そこの村長になると終始熱弁していた。それは無邪気な子供のような顔だった。
「あなたにとって良い教師とは何ですか?」と質問を投げかけると、
常に淀まず。
あれは、たくさんの人と触れ合い。
そう、今のあなたのままで。
原点を忘れずに。
今の気持ちを変わらずもっていなさい。
そうすればいい教師になるからと村長志望らしく気持ちよく言い切った。
ありがとう、村長。
写真で見る 「あなたが考える良い教師とは、何ですか?」
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