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小学校の先生になるまで。 日本横断②
前回、京都で酔っ払いのおじさんの家に泊めてもらってから、その後も自分からアクションし続けて、多くの人に声をかけることが出来た。
今回も人の優しさと好奇心について書いていきたい。
修羅の街、北九州
山口県下関市にある関門国道トンネルを越えて、福岡県北九州市に入り福岡市内を目指していたはずが、寄り道をしていたせいか道に迷ってしまった。
同じく信号待ちをしていたバイクのお兄さんを見つけたので、福岡市内までの行き方を聞くために声を掛けた。お兄さんは路肩にバイクを停めてくれて、道を教えてくれた。
僕が一人旅で沖縄を目指していることを話すと、ご丁寧に刺青OKな銭湯まで教えてくれた。話してる途中に気づいたのだが、お兄さんの上下の裾から刺青が見えた。私は別に刺青が入っていなかったが、その思いやりは嬉しかった。
「どんな先生がいたらいいですか」という質問に、
「個性的な先生になってください」
というメッセージをもらった。
日本一般社会で言うなれば、刺青が入っているだけで個性的になってしまう。そんな個性も理解してくれる身近な大人(先生)がいて欲しいという
想いも込められていたのかなと感じた。
帰り際に、どうして色々と親切にしてくれるんですかと尋ねた。
「一生懸命頑張っている人に、悪いことをする人はいないと思うよ」
「頑張って」
と言い、お兄さんは颯爽とバイクで去っていった。
正直、北九州市といえば怖いイメージがあったが、一見怖そうなお兄さんでも温かくて優しい一面もあるんだなと感じた。
発見!!あそこに、何かある!!
人の温かさに触れて、北九州もいいところだなと思いながらインタビューした人から聞いた野宿できそうな公園に行き、その日は早く寝ようと20時過ぎにはテントの中に入った。
バイクは、邪魔にならないようにテント裏に置いた。寝床に入ったはいいものの、暑さでなかなか眠りに着くことができなかった。しばらくして、ウトウトしていると何やら声が聞こえてくる。
足音が近づいてきて、声からして、3〜4人の男性の声だった。
「お、あそこになんかあるたい」
(気のせいです)
「見てみると?」
(テントはそんなに珍しくないです)
さらに足音が近づいてきて、頭の真横辺りで聞こえる。まさにテントの周りを囲まれている。
「これ、どうする?」
(どうしもしなくていいです、頼む)
「何か面白いことすると?」
(他にも面白いことはたくさんあるよ)
本来、新しい土地でそこの方言を聞けることは嬉しいが、この場面はよろしくない。
「お、でも神奈川から沖縄を目指してるみたい」
(バイクの荷台に神奈川to沖縄って張り紙貼っといて良かった)
「頑張ってほしいたい、他行こう」
(ナイスジャッジ)
足音は遠くの方に去っていた。
なかなか自分の寝ている周りで姿の見えない知らない人が自分のことをどうにかしようとする場面に遭遇することはない。
バイクのお兄さんといい、テントの周りを囲んでいたお兄さんたちといい、
何かに向かって頑張っている人に悪いことをする人はいない。
むしろ応援してくれるんじゃないか。
何かをやる時はビビらずに、色んな人に頼っていけばいい。そもそも人は、一人でできることは限られているのだから。
今回の旅もそうだ。
誰にも会わずただ沖縄に行くだけじゃ、何も得るものはなかっただろう。
人と出会うことで気付くことや学ぶことは多い。だから、出逢いに感謝ってよく言うのかもしれない。
これからもドンドン出会っていきたい。
無事に朝を迎えられたので、沖縄に向かうフェリーに乗るため鹿児島を目指した。
写真で見る 「あなたが考える良い教師とは、何ですか?」
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