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小学校の先生になるまで。 日本横断③

前回、何とか北九州の荒波にもめげずに無事に福岡を出発することが出来た。以下、前回の記事です。

出会いのフェリー

広い空、広大な海が見える。

もうすでに1320kmも走ったのか。
私は沖縄を目指し、本島の末端である鹿児島県に来ている。

バイクを積み込み、大部屋(雑魚寝)に荷物を置いて、早速スケッチブックを持って船内を歩いた。幸いにも船が沖縄に着くまで25時間もあるので多くの人に声をかけられることができた。

乗客は、九州や鹿児島に在住している人か物好きな旅人か帰省する人であった。沖縄までの交通手段といえば飛行機というのがセオリーだが、あえて時間がかかる船で沖縄に向かうなんて、よっぽどの物好きか鹿児島や九州在住の人だ。

日本一周している人、青春18切符で旅している人、関西から自転車で来た人、大学の探検部、60歳で日本中を自転車で旅をしている人、原チャで日本横断している人など

そんなバイタリティーの塊みたいな人たちに会って、さらに自分の世界が広がった。

TAKESHI SAYS

その中でも「タケシ」という面白い男との出会いは印象的だった。
タケシは、関西人だが東京の大学に通う大学生。東京からバイクで沖縄に向かう途中関西で事故に遭って、そこから青春18切符を使って電車で鹿児島まで来ていた。

私が色んな人にインタビューをしていると、よく彼は甲板で一人で本を読んでいた。当時、私は活字が苦手で本を読む習慣がなかったので、その姿は珍しかった。彼になんでずっと本を読んでいるのか尋ねると、

「著者が人生をかけて学んだことや経験したことが、文庫本だったら800円くらい、中古なら100円くらいで知識を得れるからお得やで」

その軽快な関西弁に「ホンマやな」と言いそうになった。確かにその通りだった。親や教師が本を読んだ方がいいと言っていても読む気がしなかったが、同い年の青年の言葉は何故か響いた。この後、私は、本を読むようになっていった。

そこで彼が読んでいた沢木耕太郎の「深夜特急」を旅から戻って読み、翌年の東南アジア一人旅のきっかけになった。


スケッチブックというツールのおかげで知らない人と交流できた。気付けば、到着を知らせるアナウンスが聞こえてきた。

沖縄でその後の自分に影響を与える出逢いがあるとは、この時の私はまだ知る由もなかった。

写真で見る 「あなたが考える良い教師とは、何ですか?」

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