(9)平凡

特別なこともなく7月から9月が過ぎていった。シドニーは冬になるとすることがない。

そんな中、部屋に猫が来た。名前はオードリー。私が昔から飼っていた猫である。コロナのときから知り合いの叔母さんに預けていた。その猫が嫁との部屋にやってきた。

オードリーは部屋に来てすぐに嫁と打ち解けた。嫁の上でよく寝てたり、3人でソファでくつろいだり。オードリーにプレゼントで猫のベッドも買ったが使ってくれず、結局嫁か私の上で寝ていた。

この時期は何もすることもなく、寒い中、家からバスですぐのBalmoral Beachにワインを片手に行ったりなんかもした。そこで2人で震えながら紙コップでワインを飲んで、他愛もない会話をした。

他にも、お気に入りのCremorne Pointに2人で散歩に行って夕陽を眺めたりした。2人で歩くときはいつも手を繋いで歩いた。

この頃は、いつもどこに行くときも隣に嫁がいることが当たり前になっていた。