野に放たれ「必要にかられる」ことの強さ

 社会人歴1か月、なんて書くとちょっと変だけど、今の会社で働き始めて1か月が経とうとしている。仕事をするのは学生時代に想像していたよりも大変で、でも仕事やそれに派生してする勉強が面白い。なんか充実した毎日を送れているんじゃないかな、私。

 働き始めて、「必要にかられる」ことの強さを改めて感じている。

 私の仕事は接客業。「段取り八分、仕事二分」という言葉がぴったりなくらいに、商品のことやお客さんの事、言語など、「接客」にいたるまでの準備がとにかく大事。時間がある時に食品やら商品やらの情報をネットや書籍から調べて、食べてみて、産地に行ってみる。その時の新鮮な感動とか、ものに込められた思いを、それを手に取るお客さんにも伝えられるように、とにかく日々の積み重ねが大切なんだ。知れば知るほど、自分が提供できることの質が上がる、って考えると、「段取り八分」にはとにかく終わりがない。新人だからか、そのendless段取り八分も、今は超☆楽しいのである。だから、休みの日も、商品理解に繋がるような余暇の楽しみ方を積極的にするようになってしまった。

 仕事に役立つような休みの日の過ごし方、あるいは仕事のための勉強を休みの日にもする、というとちょっと「まじめ」過ぎるのかもしれない。もしくは「新入社員ハネムーン」とでもいうのか、初めて知る世界に心躍っているだけなのか。

ハネムーン期:最初の数週間

目新しいものに魅力を感じ、それまで住んでいたところよりもずっといいと感じる時期です。海外旅行や短期のホームステイなどではこの段階で終わることがほとんどです。

カルチャーショックの5段階:他国に移住したときに「心の安定」を保つために必要な5つのこと(https://cotree.jp/columns/1013)

 入ってすぐの頃は、たしかにハネムーン的だった部分はある。でもそれ以上に「必要にかられて」いるからやれるのかもしれないと思い始めた。
 私のいる店舗では、入って間もないころから、基本的なことを教えてもらってからはどんどん店頭に出てお客さんと会話をするのが慣習で、商品の事を表面的にしか知らないときから接客に行かなければならなかった。商品の話をする度に、自分が知らないことは言えない、思っていないことは話せないという、正直者なら当たり前のことを毎回感じることになった。そのたびに、「もっと知らなきゃ、もっと経験しなきゃ」と感じ、調べてみると、新しいことを知れた喜び・新しい好奇心に、さらに突き動かされるようにして、次の行動に移っていく…。こうした、危機感から始まる好循環は、学生時代で経験してきた1から10まで教えるような教育方法では生まれなかったのかも、とも思う。野に放たれないと、自分で狩りをしようと思わないのと同様なんじゃないだろうか。

 はあ、22歳になってようやく野に放たれたか…と自分を少し情けなく思う部分もあるけれど、本当の意味での自立(経済的精神的自立?)の第一歩を踏み出せたのはいいことだと思う。最近は、お金がなさ過ぎることでようやく食費を抑えながら毎日自炊できるようになってきた。不思議と、お金を機にせず贅沢していた時よりも、あれこれ工夫しながら生活するのも楽しいもんだ。これからどうなるか分からない社会人生活だけど、仕事もプライベートもあれこれ面白さを見つけていきたいものである。

おわり

 


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