【Zoomコント台本】結婚の挨拶(著作権フリー)

彼氏『あの、お義父さん、今日こうしてご挨拶させていただくのは他でもありません。単刀直入に申し上げます。娘さんを僕にください!』

義父〈娘もいい年頃だからね、そろそろ誰か連れてくると思ってはいたが、よりにもよってこんな男とは・・・〉

彼氏『まだまだ若輩者ではありますが、僕はひろみさんを愛しています。本気です!』

義父〈とてもそうとは思えないね・・・〉

彼氏『信じてください!』

義父〈逆の立場になって考えてみろ・・・。結婚の挨拶を、Zoomでやる輩に娘をやれると思うか?〉

彼氏『いや、それは、昨今の流行り病の影響がありましたので・・・』

義父〈だったら日をずらせばいいだろう!〉

彼氏『でもお義父さんに、わざわざ貴重な時間を空けていただいたのにそれを急にズラすというのはあまりにも失礼かと・・・』

義父〈どう考えたってZoomの方が失礼に決まってるだろ!〉

彼氏『すみません』

義父〈なんだZoomで結婚の挨拶って?最近の若い奴の感覚はどうなってるんだ!まさか結婚の挨拶にパスワード必要だとは思わなかったよ!〉

彼氏『すみません。。。』

義父〈君に大事な娘をやる気なんてさらさらない〉

義母〔お父さん。そう言わずに、話だけでも聞いてあげなさいよ〕

義父〈こんな奴と話す義理なんてない!〉

義母〔色々心配してくれてるのよ〕

彼氏『す、すみません。今のは・・・?』

義母〔あ、ひろみの母ですー〕

彼氏『あ、お義母さんですか!』

義母〔どうも。ちゃんと聞こえてるかな?〕

彼氏『はい、聞こえてます!ただお義母さん、ちょっと見切れてますね』

義父〈Zoomだからだ!結婚の挨拶は普通、見切れないんだよ!〉

義母〔お父さん!ちょっと落ち着いて!〕

義父〈落ち着いてられるか!〉

義母〔ごめんなさいねぇ。よいしょ、これで見えるかな?〕

彼氏『あ、どうもはじめましてよろしくお願いしますー!』

義母〔こちらこそ、よろしくお願いします。いつもひろみから聞いてますよ。すごく真面目で誠実で、それでいてちょっぴり天然な方だって。〕

彼氏『ちょっとやめて下さいよ。ひろみさんの前だけです』

義母〔私たちの前でも見せてくれていいのよ〕

彼氏『そう言っていただけると嬉しいです』

(いい雰囲気。父親だけフンフン怒っている。)

彼氏『あ、そうだ、すみません遅くなりまして。あの、これ、つまらないものですが・・・』

義父〈渡してみろ!〉

義母〔お父さん!〕

義父〈なんだ、早く渡してみろよ!〉

義母〔お父さんってば!天然さんが出ちゃっただけじゃないの。ねえ?〕

義父〈お前ナメてんのか?〉

彼氏『いえ、そんなつもりはありません。。お義父さんがお好きだって聞いたので喜んでいただけるかと』

義父〈ふざけてるだろさっきから!〉

彼氏『いえ、そういうわけじゃ・・・』

義父〈しかもお前、私が好きなもの差し出して「つまらないもの」って言ってたぞ〉

彼氏『あ!』

義父〈失礼な上に頭も悪いとは、救いようがないな!〉

彼氏『本当にすみません!』

義母〔お父さんも十分失礼です!もう!わざわざありがとうね、送ってちょうだい〕

彼氏『はい、必ず!あとあの、ホントはこちらを先にお伝えするべきで、このタイミングで言うのは間違っているとは思うんですが、あの・・・』

義父〈まだ何かあるのか!〉

彼氏『いやあの実は・・・』

義父〈なんだ!〉

彼氏『実はこれ、40分で接続が切れてしまうんです』

義父〈無料版かい!〉

彼氏『はい・・・』

義父〈結婚の挨拶だぞ?お前にとって勝負の日だろ?どこでケチってるんだ!〉

彼氏『いやそういうわけではなく…』

義父〈何を手短に終わらせようとしてるんだ!〉

彼氏『・・・』

義父〈もういい。帰ってくれ〉

彼氏『え・・・』

義父〈帰れと言っているんだ!〉

彼氏『ちょっと待ってください!お義父さん!』

義父〈もう君と話したくない、帰れ!〉

彼氏『お義父さん!』

義父〈お義父さんと呼ばれる筋合いはない帰れ!〉

彼氏『いや違うんです!お義父さん!』

義父〈しつこいぞ!〉

彼氏『ひとつだけ聞いてください!』

義父〈なんだ!〉

彼氏『ここ自宅です』

(暗転)

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