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手役アーティストの華麗な一撃

 日本プロ麻雀連盟会長の森山茂和プロがモンド麻雀プロリーグ第16回名人戦予選第7戦で、ツモの流れに乗って索子の一色手を見事にあがりました。

 「手役アーティスト」の名にふさわしいメンゼンで華麗な一撃でした。

 予選第7戦は森山茂和プロ、ともたけ雅晴プロ、近藤誠一プロ、前田直哉プロの並び順。東3局1本場(供託1)を迎え、持ち点は南家・前田32500、北家・ともたけ26500、西家・森山23500、東家・近藤16500です。

 森山プロの配牌です。役牌の中をトイツで持ち、索子が連続形のチャンス手です。

森山1

 手役派の森山プロなので、ツモ次第ではタンヤオ・ピンフへの移行を目指し、中のトイツ落としもあるかもしれないと思っていました。

 森山プロは1巡目に發をツモって南を切りました。2巡目に白をツモった手牌です。

森山2

 字牌の白か發を切るのが自然な手順です。しかし、森山プロは手を止めて考えた後、6萬を切りました。索子の一色手を思いきって狙った一打です。

森山3

 森山プロやKONAMI麻雀格闘倶楽部の佐々木寿人プロのようなホンイツ・チンイツを得意とする打ち手は、このように序盤から大胆に色を寄せるときがあります。

 狙いがはまったときの破壊力はすごいです。この一局もそうでした。

 森山プロは3巡目から4索、5索、6索と続けて索子をツモり、5巡目でホンイツ・チートイツのイーシャンテンです。

森山4

 森山プロは8巡目に5索をツモって白を切り、發単騎待ちで聴牌です。

森山5

 森山プロはホンイツ・チートイツの聴牌を最終形と判断せず、リャンペーコーや索子の多面待ちへの手変わりを狙って、黙聴に構えます。手役アーティストらしい細やかな手順です。

 前田プロが11巡目に追いつき、場風の東を暗刻にしたカンチャンのドラの7筒待ちで聴牌します。

森山6

 前田プロは森山プロの一色手への放銃を警戒し、慎重に黙聴です。

 その直後、森山プロは11巡目に中をツモり、暗刻にしました。發を切って、2索・3索・5索・6索の多面待ちに変わりました。

森山7

 この手を最終形として黙聴を続けず、力強くリーチします。高打点を狙う「闘将森山」らしい選択です。

 森山プロは13巡目に5索をツモ。リーチ・ホンイツ・イーペーコー・中・ツモの3000、6000(+1300)のあがりです。 

森山8

 森山プロはこのあがりでトップ目に浮上。けれども、この一戦は前田プロが好調で逆転トップでした。

 森山プロは2位だったものの、持ち味を発揮した跳満ツモでした。字牌を続けてツモったわずか2巡目で、索子のホンイツ狙いを決断したところが秀逸です。

 

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