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ツモの流れに乗った金子プロ黙聴の跳満

 モンド麻雀プロリーグ第16回名人戦が放送されています。50歳以上の強豪プロがベテランの味を発揮していて、毎週楽しく観戦しています。

 けれども、残念なことに今年も名人戦に欠かせない常連プロの姿を見ることはできません。

 名人戦の優勝経験があり、モンド王座を連覇したことのある金子正輝プロです。

 金子プロが病気の治療のため出場を断念してから約2年になります。1日も早く公式戦で元気な姿を見せてほしいです。

 その願いを込めて、2018年の第14回モンド王座決定戦第2戦で金子プロがあがった跳満を取り上げたいと思います。

 ツモの流れに乗って流れるように聴牌し、ライバルの近藤誠一プロから黙聴で強烈な一撃を食らわせました。

 金子プロファンの雀友が特にお気に入りの一局です。

 第2戦は白鳥翔プロ、金子正輝プロ、近藤誠一プロ、池沢麻奈美プロの並び順。南3局を迎え、持ち点は西家・白鳥37600、南家・池沢26100、北家・金子20800、東家・近藤15500です。

 金子プロの配牌です。「123」の三色が狙える手です。

金子1

 金子プロは9索、ドラの北を続けて引き入れ、2巡目にリャンシャンテンです。

金子2

 チャンタ・三色・ドラ2の大物手の予感が漂ってきました。

 3巡目に5索をツモって5筒を切りました。そして4巡目にツモったのが南です。

金子3

 金子プロは5索を切ってチャンタ確定の形に取らず、4索のツモにも対応できるように南をツモ切りします。

金子4

 筋の2索を引き出そうと、5索を先切りして迷彩を施すようなことはせず、ツモの流れに任せて手を進める金子プロらしい打ち筋です。

 金子プロは5巡目に自風でドラの北を暗刻にしてイーシャンテンです。

金子5

 3萬を切って1萬をアタマとして固定しました。

 6巡目に待望の2筒を引き入れ、5索を切ってカンチャンの2索待ちで聴牌です。

金子6

 チャンタ・北・ドラ3の跳満の手です。金子プロは流れるように大物手を聴牌しました。この巡目で聴牌しているとは誰も読めないと判断。出あがりを狙って黙聴に構えました。

 王座連覇を目指していた近藤プロが10巡目に2索をつかみ、金子プロに放銃。金子プロは12000点のあがりです。タイトル獲得へ一番のライバルからの直撃は大きかったです。

 黙聴していても闘志満々で聴牌が顔に出てしまうことのある金子プロ。このときは静かに淡々とあがり、それがかえって印象に残っています。

 勢いに乗った金子プロは見事に初の王座に輝き、翌年も連覇しました。また活躍する日が訪れるのを楽しみにしています。

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