手役よりあがりやすさの親満 Mリーグで小林剛プロ絶妙な打ち回し

　コバゴーが手役よりもあがりやすさを優先した絶妙な打ち回しで親満をあがりました。

　Mリーグ2022-23の2022年11月29日(火)の第１回戦です。

　ピンフの役がある両面待ちの黙聴から役のない変則三面待ちに変え、リーチして一発でツモりました。

　あがりやすさを徹底的に追求するU-NEXT Pirates・小林剛プロらしい4000オール。「麻雀サイボーグ」の本領発揮です。

　第１回戦は渋谷ABEMAS・日向藍子プロ、U-NEXT Pirates・小林剛プロ、EX風林火山・松ヶ瀬隆弥プロ、セガサミーフェニックス・近藤誠一プロの並び順。

　南２局を迎え、持ち点は西家・近藤62000、北家・日向25500、東家・小林13500、南家・松ヶ瀬－1000です。

　３着目の小林プロはこの親で連荘し、点数を増やしたいところです。

　先制攻撃を仕掛けたのは２着目の日向プロでした。

　２巡目に發をポン、３巡目に９筒をチー。ドラ含みの筒子のホンイツにまっしぐらに進みます。

　小林プロは日向プロをスピードで上回り、４巡目に好形のイーシャンテンです。

　日向プロも４巡目に１筒をポンしてイーシャンテンです。

　小林プロは７巡目に３枚目の４索を引き入れ、６萬を切って３索・６索待ちでいち早く聴牌しました。

　小林プロから見えている待ち牌の枚数は、６索が場に２枚出ていて、自身で１枚持っているので残り１枚。３索は１枚持っていて残り３枚です。

　ピンフ・高めイーペーコー・赤ドラ１の手です。日向プロが筒子のホンイツで鳴き仕掛けをしていて手牌はすでに４枚となっています。日向プロが３索・６索をつかんだら止められない状況です。

　小林プロと日向プロの点差は12000点あります。日向プロからの直撃も狙え、点差を大きく縮めるため、小林プロは当然リーチするものと思い込んでいました。

　ところが、小林プロの選択は黙聴でした。リーチしなければ日向プロはもちろん、近藤プロ、松ヶ瀬プロからもつかめば高い確率で放銃が期待できるという判断です。

　多くの打ち手が３索・６索待ちでリーチすると思います。打点にこだわらず、あがりを確実にものにしようとする船長らしい打ち回しです。

　３索は近藤プロがトイツで持ち、山には３索と６索が１枚ずつ残っていました。

　小林プロはすぐにあがれず、日向プロは聴牌できません。

　小林プロが11巡目にツモったのが７索です。

　小林プロは５索を切って１索・４索・１萬の変則三面待ちに変え、リーチしました。

　場に２萬が４枚全て切られ、１萬は出やすくなっていました。場に１枚切れの１索も狙い目です。

　小林プロはピンフやイーペーコーの役はなくなるものの、あがりやすさを優先して変則三面待ちに勝負を懸けました。

　山には１索が３枚、４索が１枚、１萬が２枚残っていました。

　待ち変えの判断はすばりでした。小林プロは12巡目に一発で１索をツモりました。

　リーチ・一発・ツモ・赤ドラ１の4000オールです。

　このあがりで２着目に浮上した小林プロはトップ目の近藤プロを猛追。オーラスにあがれば逆転トップでしたが、日向プロに放銃して３位にとどまりました。近藤プロが今季初トップを飾りました。

　それでも手役にこだわっていたらあがれなかったこの親満は、まさに小林プロならではです。山読みの的確さにも魅せられました。