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瑠美プロ大逆転の勝ち上がり 槓ドラモロ乗りの爆運【Мトーナメント】

 「天衣無縫」の異名で知られる人気雀士は爆運を持っていました。

 EX風林火山・二階堂瑠美プロが2023年6月29日(木)のМトーナメント2023の予選1stステージL卓で総合2位に入りました。

 瑠美プロは第1試合でハコ下の4位に沈み、第2試合もラス目で迎えた南4局1本場。槓ドラがモロ乗りの「インパチ」の一撃を決め、さらに2本場でも親満をあがり、大逆転で予選2ndステージに進出です。

 予選1stステージL卓はEX風林火山・二階堂瑠美プロ、U-NEXT Pirates・仲林圭プロ、赤坂ドリブンズ・村上淳プロ、日本プロ麻雀連盟・石立岳大プロが対戦しました。

 2戦の総合ポイント上位2人が勝ち上がります。

 第1試合の結果は石立65.6、仲林24.9、村上-20.7、瑠美-69.8。

 第2試合は瑠美プロ、村上プロ、仲林プロ、石立プロの並び順です。

 南1局1本場(供託1)で持ち点は南家・村上38800、北家・石立21000、西家・仲林20500、東家・瑠美18700。

 順位点を含めたここまでの総合ポイントは石立66.6、村上38.1、仲林5.4、瑠美-111.1です。

 第1試合でハコ下4位の瑠美プロはこの試合もラス目。最後の親番は残っているものの、2ndステージ進出は極めて厳しい状況です。

 瑠美プロにとって重要な一局で、ラス目からトップ目に一気に浮上する劇的な一撃が出ました。

 総合1位の座をキープし、戦いを優位に進めている石立プロが9巡目にいち早く聴牌。2筒・5筒待ちでリーチしました。

  石立プロはポイントに余裕があります。いざというときにオリられるよう慎重に黙聴の選択もありましたが、積極的にあがりに向かいました。

 2筒・5筒は山に3枚残っていました。

 3着目の仲林プロも11巡目にドラの西を重ね、3筒・6筒待ちで追いつきリーチです。

 けれども、3筒・6筒は山に1枚も残っていませんでした。

 瑠美プロが13巡目に8筒を重ねた手牌です。

 瑠美プロは6筒を暗槓。槓ドラはなんとモロ乗りの6筒です。

 リンシャン牌は暗刻となる絶好の8筒。瑠美プロは五萬を切り、四萬・七萬待ちでリーチしました。

 四萬・七萬は山に4枚残っていました。

 仲林プロが13巡目に七萬を一発でつかみ放銃。瑠美プロはリーチ・一発・赤ドラ1・槓ドラ4の18000点(+3300)です。

 南1局2本場を迎え、持ち点は東家・瑠美40000、南家・村上38800、北家・石立20000、西家・仲林1200。ラス目だった瑠美プロが一気にトップ目に立ちました。

 その結果、順位点を含めたここまでの総合ポイントは石立45.6、村上-1.9、瑠美-9.8、仲林-33.9。瑠美プロが総合2位の村上プロに7900点差まで迫りました。

 勝負どころとなった一局。3人の手がぶつかりました。

 村上プロが9巡目に8索をツモってドラの4筒を切り、カンチャンの7索待ちで聴牌しました。

 村上プロはタンヤオ・イーペーコー・赤ドラ1の手です。両面待ちなどへの手変わりを狙い、黙聴に構えました。

 親の瑠美プロが10巡目にこの4筒をすかさずポン。7筒を切って5筒・8筒待ちで聴牌です。

 すると、村上プロが10巡目に5索をツモって8索を切り、4索・7索待ちでリーチしました。

 もし、瑠美プロが10巡目にトイトイのつく7筒・8索のシャンポン待ちを選んでいたら、村上プロのリーチ宣言牌の8索を打ち取っていました。

 瑠美プロは苦笑いのような渋い表情を示しました。

 鳴き仕掛けしていた石立プロは10巡目に場風の南を暗刻にしました。瑠美プロの現物で、村上プロにも通りそうな八萬を切り、4筒・7筒待ちで聴牌です。

 石立プロが11巡目にツモったのが8筒です。

 ドラの4筒をポンしている親の瑠美プロの聴牌は確実。最終手出しが7筒なので、5筒・8筒待ちは本命中の本命です。

 親に放銃すれば12000点以上が確定しています。

 しかも、石立プロのほしい4筒・7筒のうち、ドラの4筒はポンされています。

 石立プロは総合1位なので無理する必要はありません。南の暗刻落としを選択すると思いました。

 ところが、石立プロは長考の末、8筒を押して放銃。瑠美プロはタンヤオ・ドラ3の12000点(+1600)です。

 南1局2本場を迎え、持ち点は東家・瑠美53600、南家・村上37800、北家・石立7400、西家・仲林1200になりました。

 順位点を含めたここまでの総合ポイントは石立33.0、瑠美3.8、村上-2.9、仲林-33.9。瑠美プロが総合2位に浮上しました。

 石立プロはポイントに十分余裕があるものの、局消化できずに親の連荘を許し、しかも親満を放銃しました。

 総合1位での通過確実な状況とはいえ、見え見えの聴牌に飛びこむのはやはり印象がよくありません。

 WRCリーグ連覇の力を見せていただけに、この一局だけ勇み足で残念に思いました。

 2局続けて高打点の手をあがった瑠美プロが総合2位をそのまま守り、総合1位の石立プロとともに2ndステージに進出しました。

 最終結果は石立49.7、瑠美5.3、村上-6.4、仲林-48.6です。

 「親番のあるうちは何が起きるか分からない」という麻雀の面白さと恐ろしさをあらためて実感した一戦でした。

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