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レジェンド・忍田プロが円熟の打ち回しでファン魅了【Мトーナメント】

 プロ歴38年のレジェンドが円熟の打ち回しで麻雀ファンを魅了しました。

 Mリーグ初の冠企画「Мトーナメント2023」が2023年6月12日(月)に開幕。初日の予選1stステージB卓では、麻将連合代表の忍田幸夫プロが2試合連続トップを獲得し、予選2ndステージに進出しました。

 忍田プロは場況をしっかりととらえた持ち前の鋭い鳴き仕掛けで勝負どころを制したほか、懐深い黙聴からの満貫など、「永世将王」の実力を遺憾なく発揮しました。

◎Mリーグ初の冠企画「Мトーナメント」開幕

 麻雀ファン注目のMトーナメントが開幕しました。Mリーグ2022-23のMリーガー32人とHIRO柴田鳳凰位、竹内元太最高位、浅井堂岐雀王、元Мリーガー・和久津晶プロら団体推薦の20人のトッププロ雀士計52人による個人トーナメント戦です。

 Mリーグ2022-23優勝の渋谷ABEMASの4選手はシードされ、ベスト16から参戦します。 

 予選1stステージは12組に分かれ、それぞれ2戦行われます。各組で総合ポイントの1位と2位が予選2ndステージに進みます。

◎勝負どころで鋭い鳴き仕掛け

 予選1stステージB卓はKONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まりプロ、EX風林火山・松ヶ瀬隆弥プロ、日本プロ麻雀連盟・和久津晶プロ、麻将連合・忍田幸夫プロが対戦しました。

 昨年、5回目の将王獲得で「永世将王」を戴冠したプロ歴38年を誇る忍田プロが的確な鳴き仕掛けと懐深い打ち回しを見せ、Мリーガーと元Мリーガーを圧倒。2戦ともトップを獲得しました。

 特に、第1試合で勝負どころを制した巧みな鳴き仕掛けは見事でした。

 忍田プロ、和久津プロ、松ヶ瀬プロ、高宮プロの並び順。

 南2局3本場(供託3)を迎え、持ち点は南家・松ヶ瀬28200、北家・忍田26300、東家・和久津23400、西家・高宮19100です。

 全員トップの可能性がある接戦で供託が3本もあり、この一局が勝負どころとなりました。

 2着目の忍田プロの配牌。自風の北とドラの四萬がトイツで、得意の鳴き仕掛けに絶好の手が入りました。

 忍田プロは1巡目に6索を重ね、東を切りました。

 2巡目に八萬をツモり、發を外しました。

 とても動きやすい手牌になりました。

 忍田プロは3巡目に親の和久津プロが切った6索をすかさずポン。北の後付けです。

 大接戦で供託3本と3本場の「ボーナス」は大きいです。自風の北を一鳴きで仕掛けるのはよく分かります。

 けれども、6索から鳴くのはちゅうちょする打ち手もいると思います。ノータイムで「ポン」を発声した忍田プロはさすが百戦錬磨です。

 忍田プロはこの一局を制した者がトップを取れると確信。思いきった鳴き仕掛けによる攻めに踏みこみました。

 4巡目に六萬を引き入れ、あっという間にイーシャンテンです。

 そして、忍田プロは5巡目にトップ目の松ヶ瀬プロが切った北をポン。カンチャンの8索待ちで聴牌しました。

 6索ポンから忍田プロの狙い通りに進みました。電光石火の聴牌に他家は追いつけません。

 さらに、忍田プロは6巡目にドラの四萬を暗刻にして、9索単騎待ちに変えました。

 早さだけでなく、高さも伴う満貫の手に育ちました。

 忍田プロは7巡目に六萬を引き入れ、9索単騎待ちから五萬・六萬・九萬待ちに変えました。

 手牌がどんどん好形になっていきます。

 忍田プロは14巡目に九萬をツモりました。北・ドラ3の2000、4000(+3900)です。

 9索単騎待ちを続けていたほうが先にあがれたものの、流れるような打ち回しで決めた満貫です。

 南3局を迎え、持ち点は西家・忍田38200、東家・松ヶ瀬25900、北家・和久津19100、南家・高宮16800です。

 忍田プロは頭一つ抜け出しました。

 忍田プロは南3局でも發の一鳴きから速攻。松ヶ瀬プロから6筒を打ち取り、2着目の親をあっさりと流しました。

 忍田プロは發・赤ドラ1の2000点です。

◎懐深い黙聴からの満貫

 南4局を迎え、持ち点は南家・忍田40200、北家・松ヶ瀬23900、西家・和久津19100、東家・高宮16800です。

 忍田プロはオーラスに懐深い打ち回しで、黙聴からとどめの一撃を決めました。

 ラス目で親の高宮プロに起死回生の手が入りました。12巡目にいち早く聴牌。6索・9索待ちでリーチしました。

 高宮プロは高めの9索であがれば、リーチ・チャンタ・三色・イーペーコーの18000点です。ツモれば一気にトップ目に浮上できます。

 「淑女なベルセルク」の異名を持つ攻撃型雀士・高宮プロには、ここぞというときにこのような大物手がよく入ります。

 9索は山に2枚残っていました。

 忍田プロもすぐ12巡目に追いつき、6筒・9筒待ちで聴牌しました。

 現物の一萬や4筒、5筒、7筒を一発で外さず、場に1枚切れの發を切り、黙聴に構えました。

 忍田プロは13巡目にツモったのが高宮プロに通っていないドラの三萬。聴牌を崩して現物の7筒を外しました。

 忍田プロは14巡目に一萬をツモり、筋の8筒を切りました。カンチャンの二萬待ちで再び聴牌しました。

 無筋のドラは勝負しないものの、トップ目でもベタオリせず、場に1枚切れの役牌や筋牌を押す攻守のバランス。さらに、危険牌をつかんだときにオリられるよう黙聴を続行。忍田プロの懐深い打ち回しです。

 先制リーチした高宮プロはなかなかあがれません。

 忍田プロは16巡目に絶好の四萬をツモ。現物の一萬を切って、二萬・五萬・八萬待ちに変えました。

 高宮プロがその直後、17巡目に五萬をつかみ放銃。忍田プロはピンフ・ドラ2・赤ドラ1の8000点(+1000)です。第1試合でトップを飾りました。

 高宮プロは反撃の大物手をつぶされただけでなく、満貫を放銃。まさに悪夢の一局です。

 攻守にメリハリの利いた忍田プロの打ち回しが光りました。

◎第2試合でも冴える鳴き仕掛け

 忍田プロは第2試合でも鳴き仕掛けが冴えました。

 和久津プロ、高宮プロ、松ヶ瀬プロ、忍田プロの並び順。

 南1局を迎え、持ち点は北家・忍田31000、東家・和久津30300、西家・松ヶ瀬27000、南家・高宮11700です。

 忍田プロは7巡目に西をポンしてイーシャンテンです。

 8巡目に赤5索を引き入れ、2索を切って4索・7索待ちで聴牌です。

 ラス目の高宮プロが9巡目にドラの8筒をツモった手牌です。

 高宮プロは忍田プロが索子のホンイツを進めてるので、カンチャンの3索待ちを嫌いました。まだ、忍田プロがまだ聴牌していないと読み、現物の2索ではなく、先に4索を外しました。

 高宮プロはこの4索切りで放銃。忍田プロはホンイツ・中・赤ドラ1の8000点です。

 忍田プロは持ち点が39000点となり、リードを危なげなく守りきり、第2試合もトップを取りました。

 予選1stステージB卓の最終結果です。

 忍田126.5、松ヶ瀬-7.0、和久津-7.3、高宮-112.2

 忍田プロと松ヶ瀬プロが予選2ndステージに進出。和久津プロはわずか300点差で総合2位を逃しました。

 noteの読者から「忍田さんにぜひМリーガーになってほしい」という声がDMで相次いで寄せられています。

 忍田プロがMリーガーになったら、KADOKAWAサクラナイツで実績を残した日本プロ麻雀連盟・沢崎誠プロのようなタイトル戦の経験豊富なベテランとして、チームの大黒柱となる活躍が期待されます。

 来季からMリーグに参入する新チーム「BEAST Japanext」(ビーストジャパネクスト)の一員に忍田プロが加われば、きっと魅力的なチームになると思っています。

 

 

 


 

 

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