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浅井堂岐雀王の高打点を決める勝負強さ Mリーガー3人圧倒し栄冠

 ここぞという大事な局面で高打点を決める勝負強さが光りました。

 日本プロ麻雀協会の浅井堂岐プロが雀王のタイトルを初めて獲得。今季昇格したA1リーグをトップ通過した勢いで頂点に立ちました。

 第21期雀王決定戦は1日5回戦、4日間、20回戦で争われました。

 雀王決定戦で浅井プロは渋谷ABEMAS・松本吉弘プロ、KADOKAWAサクラナイツ・渋川難波プロ、U-NEXT Pirates・仲林圭プロのМリーガー3人を相手に快勝しました。

 攻めの鋭さはもちろん、先行リーチを受けたときに危険牌をつかんだら回りながら高い手に育てたほか、打点やあがりやすさを重視して手を再構築。攻め一辺倒ではない攻守のバランスの取れた打ち筋が素晴らしかったです。

 特に、優勝争いの接戦から抜け出した最終日の打ち回しは「Мリーガー候補ナンバーワン」の呼び声にふさわしいものでした。

 最終日初戦となる第16回戦。ここまでの総合ポイントは浅井73.8、松本69.0、渋川-44.2、仲林-98.6です。

 浅井プロと松本プロはわずか4.8ポイントの大接戦になっています。

 第16回戦の東3局を迎え、この試合の持ち点は北家・渋川36900、東家・浅井25900、西家・松本19700、南家・仲林17500です。

 浅井プロよりも着順上位を目指す松本プロが4巡目に1萬・4萬待ちでリーチしました。

 その直後、親の浅井プロが5巡目にドラの1萬を重ねて聴牌。カンチャンの4筒待ちでリーチです。

 当面のライバルからリーチの入った重要な局面でドラをトイツにする強運と、親とはいえカンチャンの4筒待ちで迷わずリーチする胆力が浅井プロの魅力です。

 松本プロが5巡目に一発で4筒をつかみ放銃。浅井プロはリーチ・一発・ドラ2の12000点です。

 ライバルをラス目に沈める直撃の親満は浅井プロにとって価値の高いあがりとなりました。

 総合ポイントで最下位の仲林プロが巻き返して迎えた南3局。持ち点は南家・仲林31300、東家・浅井29000、北家・渋川24800、西家・松本14900で接戦です。

 渋川プロが10巡目にカンチャンの5萬待ちでリーチしました。

 雀王連覇を目指す渋川プロは残り2局でこの試合のトップを取りたいところです。

 浅井プロは12巡目に7筒をツモりました。何を切って4索・7索待ちの聴牌に取るかの選択です。

 6筒を切ればタンヤオ・ピンフ・ドラ1の聴牌です。

 ただし、6筒は渋川プロに通っていません。

 8筒を切ればタンヤオ・ドラ1の聴牌です。

 ピンフの役は付かなくなるものの、渋川プロが5筒を切っているので8筒は6筒よりも切りやすいです。

 浅井プロは8筒を切ってリーチしました。確定親満狙いで6筒を無理して勝負せず、攻守のバランスを取りました。

 渋川プロが15巡目に4索をつかみ放銃。浅井プロはリーチ・タンヤオ・ドラ1の7700点です。

 このあがりでトップ目に立った浅井プロはそのまま勝利。総合ポイント2位の松本プロをラスに沈める最高の結果となりました。

 第16回戦を終え、総合ポイントは浅井140.5、松本12.6、渋川-60.8、仲林-92.3。浅井プロが優勝にぐっと近づきました。

 それでも第17回戦はMリーガー3人が意地を見せ、浅井プロをラスに沈めました。

 第18回戦を迎え、総合ポイントは浅井85.8、松本-19.1、仲林-19.9、渋川-46.8です。

 第18回戦で浅井プロは初優勝の決め手となるトップを獲得しました。

 南3局3本場でこの試合の持ち点は西家・浅井37000、北家・渋川36700、東家・松本20300、南家・仲林6000です。

 浅井プロと渋川プロが700点差でトップ目を争い、松本プロが親で逆転を狙っています。

 いち早く聴牌したのは渋川プロです。ドラの發をトイツで持ち、6巡目に6索・9索待ちでリーチしました。

 浅井プロが8巡目に8萬をツモった手牌です。

 5筒か8筒を切れば、1萬・4萬のシャンポン待ちの聴牌です。

 けれども、浅井プロは窮屈な待ちで役の付いていない聴牌には取りません。トイツの1萬を外し、タンヤオを視野に入れ、あがりやすい待ちへの移行を図ります。

 手を再構築しながら高打点を目指す浅井プロらしい打ち回しです。

 親の松本プロは10巡目にチートイツの6萬単騎待ちで聴牌しました。

 松本プロは待ちごろの牌を探り、黙聴に構えました。

 浅井プロも10巡目に4筒を引き入れ、3筒・6筒・9筒待ちで聴牌。迷わずリーチです。

 「急がば回れ」の1萬のトイツ落としがすばりでした。

 渋川プロが10巡目に一発で3筒をつかみ放銃。浅井プロはリーチ・タンヤオ・ピンフ・一発の8000点(+1900)です。

 浅井プロは勝負強さを発揮したあがりでリードを広げ、そのままこの試合のトップを獲得しました。

 第18回戦を終え、総合ポイントは浅井155.0、渋川-40.0、松本-41.3、仲林-73.7です。

 総合ポイントで2位に大差をつけた浅井プロは残り2試合もしっかりとリードを守りきり、新たな雀王に輝きました。

 今をときめく強豪Mリーガー3人を圧倒。浅井プロの勝負強さを麻雀ファンに広く知らしめる栄冠です。

 ◇最終結果 ①浅井98.6②松本-8.3③渋川-30.5④仲林-60.8


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