見出し画像

大きく打つ誠一プロの切れ味

 セガサミーフェニックスの近藤誠一プロがМリーグ2021の2022年3月3日(木)の第2試合でトップを飾りました。「大きく打って大きく勝つ」がキャッチフレーズの近藤プロらしい重厚かつ切れ味鋭い高打点のあがりが光りました。

 第2試合はTEAM雷電の本田朋広プロ、セガサミーフェニックスの近藤誠一プロ、渋谷ABEMASの松本吉弘プロ、U-NEXT Piratesの小林剛プロの並び順です。

 近藤プロが出だしからあがりを重ねます。東1局に南家で8巡目にドラの7萬単騎待ちでリーチし、一発でツモります。

画像1

 リーチ・一発・ツモ・ドラ2の2000、4000です。 

 親番を迎え、流局を挟んだ東2局1本場ではチートイツの7索単騎待ちでリーチします。18巡目にツモあがりします。

画像8

 裏ドラが3筒でリーチ・チートイツ・ツモ・裏ドラ2の6000オール(+300)です。近藤プロが試合の主導権を握りました。

 続く東2局2本場で近藤プロならではの手順を見せます。

 下家の松本プロが北を鳴き、萬子のホンイツの手を進めていました。近藤プロが3筒をツモった9巡目の手牌です。

画像3

 2索を切ればカンチャンの2萬待ちで聴牌です。一色手の下家に1萬と3萬の萬子2枚はなかなか切りづらいです。また、赤ドラが2枚あり、前局に親の跳満をあがった勢いもあるので、2索切りでリーチすると思いました。

 しかし、近藤プロの選択は聴牌取らずの1萬切りでした。

画像5

 場況と山読みで萬子のカンチャン待ちではあがれないと判断。松本プロにはまだ間に合うだろうと、思いきってカンチャン部分を外しました。せいちゃんらしい懐の深い胆力のある打ち筋です。

 この判断は的確でした。2萬は山に残っていませんでした。

 近藤プロが1萬を外した直後、松本プロは赤5萬をツモり、萬子のホンイツを聴牌しました。2萬・8萬・中の変則待ち(5萬は4枚使っているのであがり牌がない)です。ぎりぎりの攻防です。

画像5

 近藤プロは11巡目に1索をツモって3索を切り、3萬単騎待ちで聴牌しました。この形では不十分とみて黙聴に構えます。

画像6

 近藤プロは12巡目に4索をツモりました。3萬を勝負して切り、1索・4索・7索待ちでリーチです。しっかりと勝負形にしてからリーチに踏み込む「大きく打って大きく勝つ」打ち筋です。

画像7

 すると、松本プロが一発で4索をつかみ、近藤プロに放銃。近藤プロはリーチ・一発・赤ドラ2の12000点(+600)のあがりです。

 「大魔神」として知られた故・飯田正人プロをほうふつさせる重厚かつ切れ味の鋭い親満でした。近藤プロが「大魔神の系譜」と呼ばれるのもこのようなあがりで麻雀ファンを魅了するからだと思います。

 近藤プロは第2試合に快勝です。今季のМリーグも終盤を迎え、セガサミーフェニックスの「左のエース」にいよいよエンジンがかかってきました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?