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戦闘民族の切れ味鋭い倍満

 トップ目と3万点差のラス目で「戦闘民族」が強烈な一撃を決めました。

 Mリーグ2022-23の2023年1月16日(月)の第1回戦です。U-NEXT Pirates・鈴木優プロが東3局に切れ味鋭い打ち回しで倍満をあがりました。

 優プロは惜しくも2位にとどまったものの、激しい追い上げに魅せられました。

 第1回戦はU-NEXT Pirates・鈴木優プロ、TEAM雷電・瀬戸熊直樹プロ、KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まりプロ、渋谷ABEMAS・日向藍子プロの並び順。

 日向プロが東1局に裏ドラ3枚乗せた倍満、東2局に1000、2000(+1000)を続けてツモあがりました。

 東3局を迎え、持ち点は南家・日向46000、東家・高宮19000、北家・瀬戸熊19000、西家・優16000です。

 優プロは東場の親番がすでに終わり、トップ目の日向プロとは3万点差のラス目。大きなあがりがほしいところです。

 優プロが4巡目、場に1枚切れの北をツモった手牌です。

 優プロは索子のペンチャンターツの「8索・9索」を嫌い、8索を外しました。

 メンツ手ではなく、トイツが3組あるのでチートイツへの移行を軸にしました。

 5巡目にドラの1筒を重ね、2筒を切りました。

 優プロは自風の西がトイツなので鳴き仕掛けも狙えます。

 けれども、優プロは上家の日向プロが6巡目に外した3萬に対し、ポンせずに見送りました。あくまでもチートイツでドラ2枚を使ったリーチを狙っています。

 優プロは6巡目に赤5萬を引き入れ、9索を切りました。

 中張牌を先切りせず、捨て牌を目立たさせないように工夫しています。

 7巡目に5萬を重ね、5筒を切ってチートイツのイーシャンテンです。

 チートイツの待ちごろの牌として、場に1枚切れの北と萬子が安いので7萬を残しました。さらに、5索と5筒の選択で瀬戸熊プロが4索を6巡目に切っているので、5索のほうが良いと判断しました。

 この読みはずばりでした。山には7萬が3枚、北が2枚残っており、5索は赤5ドラが1枚、5筒は1枚それぞれありました。

 優プロは8巡目に絶好の赤5索をツモって聴牌。狙い通りチートイツの北単騎待ちでリーチしました。ツモれば倍満です。

 ここまでの捨て牌が南、中、9筒、8索、2筒、9索、5筒、7萬。派手ではなく、チートイツとは読みにくいです。

 誰も北をつかまず、時間は少しかかりましたが、優プロは14巡目に自らツモりました。

 優プロはリーチ・チートイツ・ツモ・ドラ2・赤ドラ2の4000、8000です。チートイツをにらみ、索子のペンチャンターツを早めに外したことや、待ち牌の山読み、捨て牌の工夫などが見事に的中した会心の一局です。

 優プロはこのあがりで日向プロと1万点差に迫りました。その後、懸命に追い上げ、一時は微差で逆転したものの再逆転され、わずかに及びませんでした。

 それでも、戦闘民族の異名にふさわしい強気な攻めが冴えていました。この打ち回しを続けていれば、なかなか実現しない3回目のトップを獲得する日が必ず訪れると確信しています。

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