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藤川プロの的確なバランス

 麻将連合所属で将妃の藤川まゆプロの対局を初めて観戦しました。藤川プロは2022年5月1日(日)に行われた「麻雀最強戦2022 女流チャンピオン決戦」のA卓に出場。2人勝ち上がりで3位にとどまり、決勝進出を逃しましたが、タイトルホルダーにふさわしく、攻守にバランスの取れた打ち筋は印象的でした。

 あがり牌を何度も抑えて粘って回り、勝負どころではしっかりと踏み込む判断が的確で、高IQ集団「MENSA」(メンサ)の会員ということもうなずけます。

 A卓は女流雀王の逢川恵夢プロ、将妃の藤川まゆプロ、女流桜花・鸞和戦優勝の魚谷侑未プロ、女流最高位の内間祐海プロの並び順です。

 藤川プロが見事な放銃回避を見せたのは東4局です。持ち点は東家・内間34000、南家・逢川27000、西家・藤川26600、北家・魚谷12400です。

 藤川プロの配牌です。役牌の發とオタ風の北をトイツで持ち、ホンイツを狙える手です。 

藤川1

 藤川プロは3巡目までに7索、6萬、2索と続けてツモり、好形となりました。場に切られた2枚目の北(ドラ表示牌を含める)はポンせず、悠然と見送りです。

藤川2

 藤川プロは5巡目に魚谷プロから切られた發を鳴き、6萬を切って索子のホンイツを目指します。

藤川3

 7巡目に8索を引き入れ、イーシャンテンです。

藤川4

 5索を引けば、一気通貫が狙えます。ドラの東を重ねて4索を切ればチャンタが付き、東しかあがり牌は残っていませんが東と北のシャンポン待ちです。東であがればホンイツ・チャンタ・東・發・ドラ3の倍満です。 

 一方、藤川プロの一色手の仕掛けにひるまず、逢川プロが7巡目にドラの東を切り、8巡目に2萬を引き入れ、6筒・9筒待ちでリーチします。

藤川5

 その直後、藤川プロが8巡目に一発でつかんだのは逢川プロのあがり牌の6筒です。

藤川6

 藤川プロは逢川プロの現物である東を切って回ります。

藤川7

 9巡目に1索、10巡目に9萬をツモり、2枚の北を外します。

藤川8

 12巡目にツモったのが4筒です。9萬を切ればカンチャンの5筒待ちで聴牌します。

藤川9

 逢川プロが4巡目に7萬を切っているほか、場に萬子の上の牌も安く、藤川プロは9萬が通りやすいとみて聴牌に取ります。読みが冴えています。

藤川10

 藤川プロは13巡目にワンチャンスの9索もツモ切ります。14巡目に6筒を重ね、安全牌の4筒を切り、6筒と1索のシャンポン待ちに変えます。

藤川11

 リーチ者のあがり牌を抑えながら粘って聴牌する見事な打ち回しです。

 藤川プロは15巡目に逢川プロのあがり牌の9筒をツモり、聴牌を崩して1索を切りました。

藤川12

 あがり牌をつかむときちんと回ります。藤川プロはこの後聴牌できず、逢川プロの1人聴牌で流局しましたが、鉄壁の守備でした。通りやすそうな牌はしっかりと押し、危険牌はぴたっと止めるバランスの良さが光りました。

 南2局の親で藤川プロは踏み込んだ攻めを見せました。

 持ち点は北家・逢川29000、東家・藤川25600、西家・内間24700、南家・魚谷20700です。

 最初に9巡目に聴牌したのは内間プロです。チートイツの8萬単騎待ちでリーチします。

藤川13

 リーチ直後の10巡目に8索をツモった藤川プロの手牌です。

藤川14

 内間プロは5索を切っていました。藤川プロは筋の2索を切り、イーシャンテンに構えます。

藤川15

 11巡目に9索を暗刻にして、危険牌の4索を切りました。

藤川16

 藤川プロはこの一局が勝負どころとみて思いきって踏み込みました。

 そして13巡目に3萬を重ねて聴牌し、2萬を切ってドラ表示牌でカンチャンの2筒待ちでリーチします。

藤川17

 リーチ・イーペーコー・ドラ1の手でツモれば4000オールです。

 しかし、山にはあがり牌は残っていませんでした。内間プロが13巡目に8萬をツモあがりします。リーチ・チートイツ・ツモの1600、3200です。

藤川18

 藤川プロはあがれませんでしたが踏み込んだ攻めは良かったです。

 タイトルホルダー4人の激戦で攻守のバランスに秀でた打ち回しを見せた藤川プロの今後の活躍に注目です。

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