みやすく、かきやすく。ブロックを遊ぶように記録できるカルテ。
どんなデバイスでも初めて使うものには抵抗感があり、ストレスがつきまとうのはやむを得ません。
自分のスマホとの関わりを通して、馴染むデバイスとは何か、いわゆるUxと呼ばれる使用した人の感覚に基づいて新たな電子カルテのデザインを考えていきます。
最初にスマホに触った時、初めて犬に触る時みたいに、本当に緊張した事を覚えています。プレッシャーなんか感じる必要無いはずなのに、自分が試されるような変な緊張感がありました。
ドキドキしながら触って、そもそもタップ自体も最初は上手く出来なくて。でも色々触っているだけでも楽しくて、気付いたら自分の本当の意味で相棒として働いてくれている、頼りの存在です。
なぜスマホはここまで普及したのか。
インターネット回線の高速化など、スマホ自身以外の要因もたくさんあります。
ですが、スマホ自体に高いポテンシャルがあることは誰もが疑いようのない事実です。
インターネットが使えて、カメラも高性能、バッテリーも一日中使っても問題ない機種が大半を占めるようになってきました。
ただ、それ以上に、いわゆるAppleが企てた、細部まで洗練されたデザイン、特にソフトウェア面での「削る」作業が世界を変えたと思っています。
Microsoftでは出来なかったと思います。
MicrosoftとAppleの対比をすると、Microsoftはひとつのページに全部のボタンが集約されている感じ。
いわゆる昔のテレビのリモコン。もちろん必要な機能は揃っているんだけど、毎回選ぶのがちょっと手間。
Appleはボタン少なくって、あれ？大丈夫？って最初は非常に混乱、なんなら少し教えてもらわないと使えない。けど、ボタンが少ない分、使い慣れたら無心で使える。
長期的に使うものであればより簡単なものの方がいいはずであり、直感的に使える方がいいと思います。
現在の電子カルテは結局のところワードと対して変わりません。ただ文字を打ち込むスペースがあるだけです。紙の時代と違う事と言えば、電子データになってコピペが楽になった、キーボードで打てるので早く記載できるようになった、共有が楽になった、修正が楽になったというところでしょうか。
書き方には決まりが無く、医者によって千差万別です。
なので、どこに何が書いてあるのか、非常に分かりづらく、どこに何が書いてあるかわからない、そもそも必要な情報があるのか無いのかもわからない、というのが今のカルテの実情です。あるかないか分からないことを調べるのに時間をかけているのが今の医療です。
忙しい、人手不足、残業が多いなどの問題はカルテを見やすくする事で改善すると思います。
具体的なデザインとしては、一つ一つの内容を細分化しデータベースとして管理する形とします。
データベース自体、利用した事がある方の方が少ないと思います。イメージがなかなか持てないと思いますが、簡単に言い換えるとブロックで作品を作るような形です。
ブロックは組み立てがしやすいように様々な種類の形に凹凸があり、それを組み合わせて色々な造形物を作り上げる事ができます。
好きな人であれば分かる話になりますが、無心でとりあえず組み合わせているうちにロボットが作れたり、飛行機が作れたり、直感的に行えます。おかげで幼稚園児でも年長さんになればみなそれなりにの作品になります。初めて使う人でもイメージしやすい上に組み立て直すのが容易なので、綺麗な形を作りやすいです。
データベースを使うというのは、今日の血液検査結果が一つのブロック、昨日の血液検査結果が同じ形の違う色のブロック、「お腹を押したら痛い」という自覚できる不調が別の形のブロック、昨日薬局で買った薬がまた別の形のブロック。
それらのブロックを見栄えがいいように組み立てる、実際のカルテでは見えやすくなるように必要な情報がパッと入るように表示方法を調整する、という具合です。
ブロックに対比して、現代のカルテは赤、緑、青の絵の具だけで絵を描くイメージでしょうか。自由なので、綺麗な作品もある一方で、一部の人にしか共感されない独特な作品も生まれる、という感じです。しかも、絵の書き方を習う機会も望まなければ無いので98%の作品は素人の作品であり綺麗に作るためにはセンスが必要です。習った事があればある程度綺麗に作る事が可能ですが、少なくとも医師になるための大学教育では正式に習う機会はありませんので、医師が実際に絵を描く事と大差ありません。共感できる、感動できる絵はみなさんにとってわずかです。
これまでの時代はカルテを電子化する、というのが目的でしたが、これからの時代は使いやすい、見やすいカルテを使う形になると思います。また、医療者に限らず、誰が見ても理解できるように。それが自然な流れであると確信しています。
あとはいつやるか、だけ。
私だけの力では微力です。
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医療者に限らず、興味のある方はTwitter(@netakiribozu1)までご連絡下さい。
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