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「ながらスマホ」
寒さに震えている夜。
震える体をどうにか抑えつけようと言葉をかける。
僕「おい、体よ〜あまり震えないでくれよ。なんでかって?ほら、冬に失礼だからさ!」
我ながら意味のわからない返答をしてしまった。
冬の個性は寒さであると僕は睨んでいる。
冬の先にヤンキーがいたらメンチ切られていると思い込み、逆上してしまうほどに。
冬が自分だけの個性を存分に発揮している。
なのに僕は、寒いと言って体を震わしているのだ。
だから失礼なんだと思う。
自分で書いていても何を書いているのかわからない。
それくらいはわかっている。
読んでいる皆に言われなくてもわかっている。
でもわからないものこそ!正義である!
これもわからない。
わからないということがわかっているのだ。
そういえば、この前階段の側面に「ながらスマホ禁止」という文字が貼られていた。
人間は思い込みが激しいのだと実感した。
なぜ、スマホがサブであると思ったのだろうか。
なぜ、歩きながらスマホをしていると思い込んでいるのだろうか。
中にはスマホをしながら歩いている人もいるのに、と思った。
その人らには、「ながら歩き禁止」と書かなければ伝わるはずがない。
こう、人間に思い込ませ、混乱させるというのが、最近の奴らの手口だ。
「ながらスマホ禁止」と書けばいいと思っている人間がいたとして、
「僕はながら歩きをしている」と思っている人間がいたら、
「ながらスマホ禁止」は完全に水の泡となる。
あ、本当の水の泡になるわけではなくて、比喩的に表現したことは伝えておきたい。
つまりだ、「ながらスマホ禁止」でいい、と人間に思い込ませれば思い込ませるほど、
「ながら歩き」は生き残れるのだ。
逆に「ながら歩き禁止」でいいと思い込ませれば、
次は「ながらスマホ」が生き残れる。
どちらに転んだとしても(骨は折れない程度に)、
どちらかが生き残れる仕組みになっているのだ。
これには僕もたまげた。
生存競争に勝ち残るため、
「ながらスマホ達」も大変なんだな、と痛感した。
コースの空中に吊るされたカニの殻を、口だけで剥き、食べれたら進める、
カニ食い競争をしてみたいものである。
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