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今期のドラマで少なくとも3人の登場人物が記憶を喪失している【4/22】

被るときは被るもんなんだな(しみじみ)。

というのがまず第一の感想だった。国土のなかに1億2千万人も人間がいたら、思考が1ミリも被らないほうが不思議。いや、ひとりひとりは別の人間だけど、同じ時代を生きていたら、似たようなことを考えることもそりゃあ、あるだろうよって気持ちでいる。

でもまさか、テレビドラマの題材がこんなにも被るなんて。

この件をねんのため、知らない人のためにちゃんと説明すると、いま、4月スタートで6月ごろに最終回を迎えるクールの連続ドラマのうち3番組において、題材被りが起きているのだ。

その題材は「記憶喪失」。月曜日22時フジ(カンテレ)、火曜日22時TBS、金曜日22時TBSのドラマにそれぞれ記憶に障害を持つ人がひとりずつ登場する。そして4月22日、月曜日21時フジに対しても「もしかして記憶喪失なのではないか……?」という新たな疑念が寄せられはじめている(※)。

※筆者が関東在住のため、すべて関東のテレビ局および放送時間で記載しています

もちろんストーリーは全然違う。テイストも全然違う。登場人物それぞれにそれぞれの事情があって現在にいたっている。だから結局はぜんぜん別のドラマではあるんだけど、私たちは普段の暮らしのなかで、記憶喪失の人と触れ合う機会がけっして多いとはいえない。だから、テレビの向こうに3人、もしくは4人もいるとなったら、ずいぶんと多いような気がしてしまうのだ。

視聴者がそう思うのだから、制作側もきっと、表立っては言えないとしても内心「多い……(まじか……)(まじかよ………)(愕然………)」って思っていたりするんじゃないだろうか。

完全なる部外者なので、詳しいことはまったく知らないけど、被りたくて被ったとは、あんまり思えない。

きっと、それぞれまったく別々に秘密裏に動いていて、ほかの班、ましてや他局にはバレないように慎重にひっそりと企画を進めてきたんじゃないだろうか。なのにある日、情報解禁の蓋を開けてみたら、自分のところのドラマ以外にも記憶喪失の人が出てくるという。しかも数本。自分だったら、少なくとも「え!!!」って声がかなり強めに漏れると思う。

事実を知った瞬間の関係者たちの正直な声を聞いてみたい。

人間は間違う生き物って話をよく聞くけど、うっかり被る生き物でもある気がしている。被りたさがあって故意に被る人もいるかもしれないが、不本意だけど被っちゃってる人も結構たくさんいるんじゃないか。

そういえば。1997年にも、そのころちょうど認識されはじめた概念「ストーカー」を題材にしたドラマが同クールに2本たまたま揃いぶみしていた記憶がある。内容を隅々まで覚えていなくて申し訳ないのだが、ストーカーという言葉と、ストーカーの怖さとやばさはあのドラマたちから教わった。

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