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トリクルダウン理論対策

昨日は、「トリクルダウン理論は起こらない」と書いた。ならば我々はどうすればいいか。私なりの考えを書きたい。

経済・不平等問題の専門家であるルカ・シャンセル(Lucas Chancel)、トマ・ピケティ(Thomas Piketty)、エマニュエル・サエズ(Emmanuel Saez)、ガブリエル・ズックマン(Gabriel Zucman)が中心となり、4年の歳月をかけて作成された「世界不平等レポート2022」は、富がどのように分配されているかについて、これまでにないデータを提供している。著者たちは「世界には、極めて大きなレベルの所得や富の不平等が存在する」と書いている。
このレポートで示されたデータによって「トリクルダウン」という経済理論は完全に否定された。

ビジネス・インサイダー

トリクルダウン理論はシャンパンタワー


シャンパンタワー

トリクルダウン理論を考えるときは、シャンパンタワーを想像するとわかりやすい。グラスが階層だ。上は富裕層で、下が貧困層。上の富裕層からシャンパンがはたして流れ落ちてくるはずというのが、トリクルダウン理論だ。当然、流れ落ちてこない。多少は落ちてくるが、貧困層まではとても届かない。かといって、貧困層をピンポイントで救う政策はほとんど出ないし、出ても大した影響力がないので、詰みだ。

トリクルダウン理論対策を現実に当てはめてみる

節約と貯金

せっかく落ちてきたシャンパンを下に流してしまっては、自分の分が残らないから少しでも残しておきたい。これが節約だ。そして、少しずつシャンパンを自分のところに貯めておく。これが貯金だ。

副業

シャンパンの流れが1本より2本のほうがいいに決まっている。ならば2本に増やそう。これが副業だ。

昇給

細い流れより、少しでも太く多くしたい。これが昇給だ。

起業・投資

上記の方法はとても時間がかかる。手っ取り早く、上の階層に行きたい。これが、起業や投資だ。

寝そべり族

別にいまのシャンパンでも生活はできる。ならば頑張る必要はない。これが寝そべり族だ。

私のトリクルダウン理論対策

正直なところ、上記の起業・投資以外は広い視野で見るとどんぐりの背比べだ。さざなみ程度のことだ。上位層は下位層が働いてくれないと困るし、また消費してくれないと困るので、なんとか未来があるように見せかけている。ちょっと抜き出た程度では大したことがない。ならば放棄すればいい。働かないし・消費しない。これが上位層が困る選択だ。こまるからこそこのムーブメントはインターネット上には表立って出てこない。寝そべり族をしていても、ありがたいことにシャンパンは溜まっていく。そしてそのシャンパンを元手に投資をすれば、今度は上位層側にいけるという魂胆だ。何もしていないが、あえて言うなら積極的に消費をしていないということをしている。

寝そべり族も勇気がいる

何もしない寝そべり族は気楽でいいと思われがちだろう。しかし、大勢と違う考え方で生きるというのは、安心を捨てるということだ。みんなと同じなら安心という日本人の気質に逆らっていきているのだ。「トリクルダウン理論は起こらない」「r>g」という言葉は私に勇気を与えてくれる。

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