![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/6914084/rectangle_large_type_2_fcc5589bd98fbaf4e2dcaa823a30171b.jpg?width=1200)
Photo by
hirokawakami
北島三郎の息子 その1
2人目が産まれて間もない頃、子連れで電車に乗った。右手には2歳の長女、抱っこひもの中には0歳の次女。目的地まで1時間はかかる。私は緊張していた。
30分位経つと、長女が飽きてきた。そのタイミングで次女も目を覚ましてしまった。そこへ、通路を挟んだ隣の席に1人のおじさんが座った。
パンチパーマに派手なスーツ、金のネックレスにセカンドバッグ。なんて分かりやすい制服。一気に緊張が高まる。ここで愚図って因縁を付けられたら子どもの命が危ない。いったん降りるか。
ドキドキしていると、おじさんがこちらに話しかけてきた。
「ようお母さん、2人も連れて大変だね。お嬢ちゃん、みかん食べるか?」
と、ポケットからみかんを取り出して長女にくれた。
「電車はのどが渇くからさ、食べな」
感動し、お礼を言いつつも、私はまだ少し警戒していた。
その2に続きます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?