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ニュース:娘3人を殺害した母親、例によって同情される。

読売新聞が自身の娘3人を殺害した女性に関するニュースを記事にしていた。

手にかける前にパンケーキ食べさせる 「最後に子ども喜ばせたかった」 娘3人殺害事件で母親

愛知県一宮市の自宅で2022年、当時0~5歳の娘3人を絞殺したとして、殺人罪に問われた遠矢姫華被告(29)の裁判員裁判の判決が11日、名古屋地裁で言い渡される。検察側は子どもたちと無理心中を図ったとして懲役25年を求刑。遠矢被告は法廷で「育児に悩んでいた」と話し、弁護側は心神喪失の状態だったとして無罪を主張している。

読売新聞

このニュースなのだが、記事の締めを見て驚いた。

有罪か、無罪か。裁判員は難しい判断を迫られる。

一体、何が難しいのか?罪なき子供を3人殺害したら有罪しかないだろう。どういう思想をしていたら子供を3人も葬り去った殺人鬼に同情できるのか?

しかし、どうもおかしいのは私の方らしい。
Yahoo!ニュースのコメント欄は、3人の子供を殺めた母親に同情する声で溢れている。

このお母さんも21才で子供を産んで8年間、一生懸命育児してきたんだろうと思う。

娘さん3人を殺めてしまった事は許される事じゃない。 ただ母親に対する同情の気持ちもあります。

若くして子供産んで産後うつにもなりながら子育ても頑張って、料理も手作りにこだわるなど本当に素晴らしいお母さんだったんですね。
そんな大切な子供に手をかけてしまうなんて、そこまで追い詰められていた。父親は子育てに協力的でなかったのかな?
虐待で死なせても懲役は短いのにこんなに頑張ってきたお母さんには25年の求刑なんですね。

子供はもちろんお母さんも可哀想

殺人犯である女性に同情する声がある一方で、子を殺された遺族である父親(殺人犯の夫)を責める意見まである。

ちなみに、この虐待殺人事件は、発生した2022年にもSNS等で多くの同情の声が上がっていた。

子殺しママに甘い日本

日本は女性の虐待や殺人に甘い。

以前も、生後11カ月の次男を床にたたきつけて殺した母親に対し、SNSで育児経験者を中心に擁護の声があがった

Change.orgでは「母親が子育てしながら罪を償えるように」と、執行猶予を求める署名活動まで展開されていた。

Change.org

Change.orgのものとは別に、一般社団法人 日本多胎支援協会による署名活動もあった。

三つ子の次男が亡くなった愛知県豊田市の事件の判決について | JpMBA

殺人犯である女性への同情と擁護の嵐だ。子が事故に遭った男性が暴言を吐かれるのと対称的である。

被害者の女児より、加害者の成人女性に同情する日本人

「日本は母親による虐待に甘い」

こうした話を聞くと、「日本は男に厳しく、女に甘い」と思うかもしれないが、この事件で殺された子供は3人とも女児である。

つまり、「成人女性が女児を殺害した事件」を見て、みな成人女性の方に同情しているのだ。

民主主義社会とは思えない倫理観だ。

しかし、"子殺しママ"に対する刑罰が実際に甘いことからも分かる通り、これはネット上のコミュニティに限らず、日本社会のスタンダードな倫理観なのだ。

日本社会において、母親の権力はかくも強く、母親の前では(どう考えても弱者としか思えない)女児でさえ軽視されてしまうのである。

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