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柑橘の精油を使いこなす①

オレンジの香り

オレンジスウィート Orange sweet🍊
科名
 ミカン科  学名Citrus sinensis
抽出部位 果皮  抽出法 圧搾法
主な産地 イタリア、地中海沿岸、アメリカ、ブラジル
主要成分 リモネン リナロール 
ノート トップノート 

いきなり、オレンジの精油の情報をポンと出しましたが、
しばらくはこのオレンジ精油のキャラクターをしっかり認識することで、
それ以外の柑橘の精油との個性の違いを、感じてもらおうと思います。

まずはノートについて、簡単に。
ノートとは、19世紀の調香師のセプティマス・ピエッス氏が香りの揮発に関して音楽の音階♫に例えて表現した方法です。彼は、低い音階には揮発の速度の遅い重めの香り、高い音階には揮発の速い軽めの香りを割当てました。
このオレンジスウィートは、柑橘の精油の中でも比較的、揮発の速く軽い香りとして知られています。速く揮発するノートはトップノートと表現されます。
(noteと書くので、ここnoteと紛らわしいですが、香りの話をする時には外せない言葉の一つです。)
また、香りの揮発速度の持続時間(トップやミドルなど)の表現の他に、
グリーンノート フローラルノートなどのように香りの系統を表す時にも
ノートという言葉を使います。

オレンジスウィートはトップノートです。
他の柑橘系の精油も、その多くはトップノート(もしくはトップからミドルノート)だと覚えておかれると良いと思います。

では、試香紙(なければティッシュペーパーかキッチンペーパーを細く切ったもので代用)にオレンジの精油を1滴落として、目を閉じて、そおっと嗅いでみましょう(鼻先に精油が付かないようには気を付けてくださいね)。


あなたに何が起こりますか

目の前に何か浮かびますか
何か聞こえますか


私は、空腹時にこの香りを嗅ぐと、キュる〜とお腹が鳴ります!
(詩的、絵画的なことではなくすみません)
そして口角が自然にあがって、不思議と笑顔になってしまいます。

今、あなたに起こったことを、ぜひメモしておきましょう✏️


筆記用具を出して、メモをしている間に、どんどん試香紙についたオレンジの香りは空中へ飛んでいきますね。この香りは軽いので、時間と共に試香紙から逃げていってしまいます。そして1時間後にもう一度、その試香紙を嗅いでみましょう。先ほど目を閉じて嗅いだ時とは、香りの強さの違いを感じるはずです。消えるとまでは言いませんが、先ほどとはかなり香りの強さに差を感じると思います。精油メーカーによっては、もうすっかり香りが無くなっているものもあるかもしれません。

さて、私以外にも、お腹がキュルーと鳴った方はいたでしょうか。
私は身体がオレンジの香りに反応してしまって、人前で恥ずかしい思いをしたことは1度や2度ではありません。(マッサージ中にクライアントさんにも聞こえるような爆音でお腹が鳴る)

子供のお菓子にもよく香り付けされている、懐かしい甘酸っぱい爽やかなこの香りは、人のこころに陽気で元気な幼な子を思い起こさせるような微笑ましい気持ちをもたらします。
ストレスで食欲がない、胃腸の不調を感じる時は1滴のオレンジの香りを是非嗅いでみましょう。こころに優しくいたわるような温かさが広がり、身体の緊張も解くきっかけになります。
アロマトリートメントのフットバスやハンドバスにも利用しやすいため、私は施術前にもオレンジ精油をよく利用します。
1滴で充分。温水の湯気と共に立ち上る香りを嗅いで、施術前の自然な深呼吸にもつながります。そしてこれは、乳幼児以外の未成年から高齢者なで幅広く使える精油(エッセンシャルオイル)です。

そういえば、我が家では真冬の積雪時に、放課後の雪合戦遊びから帰ってきた子供にフットバスをしていました。それは決まってオレンジ1滴の入った温かいバケツでした。椅子に腰掛けて、足をお湯に浸けて、ホットミルクをすすりながら冷たくなった足先を温めるだけで、子供は満たされた柔らかい表情になり、まだ手をつけていない宿題のことなどすっかり忘れて、その日あった学校での出来事や、美味しかった給食のおかずの話など、たくさんお喋りを始めるのでした。

主な作用 抗不安作用 消化器、リンパ系の刺激作用 消毒作用 鎮痛作用 
適応   不安感から来るこわばり 冷えの解消 食欲不振 不眠
禁忌   オレンジスウィートは光感作性はないと言われています 

オレンジは、介護の現場でも使いやすい精油です。先日、介護療養院のケアスタッフさんたちへのアロマ講習でも、患者さんが入浴できない時のフットバスの他に清拭のタオル作りに、この香りの有用性の話をしてきたところです。軽い刺激作用が優しく身体を温めます。
真剣にメモを取りながら私の話を聞いていたスタッフさんたちへ、オレンジの精油を1滴テッシュペーパーに垂らして嗅いでもらうと、声を揃えて「う〜ん、いい香り!」と口角がふわっと上がった時は、私も思わずニンマリ。多忙すぎて時間との戦いで、つい業務的にやってしまうケアが、ケアをする側のスタッフの心にも働きかけ、この香りを嗅ぐだけで前向きな気持ちでお仕事に対応できるきっかけになると実感しました。

オレンジの香りと
レモン、ベルガモットの香りを嗅ぎくらべましょう

では、実際に他の柑橘の精油との違いを確かめましょう。
まず試香紙を3本用意し、オレンジ、レモン、ベルガモットとそれぞれにペンで記入します。次にそれぞれの試香紙に1滴ずつ付けて、1種類ずつ、ゆっくりと嗅いでみます。

レモンの香りは好きですか
オレンジとレモンの精油はどんな印象の違いがありますか
またベルガモットは、他の二つと比べて、どうでしょうか

印象をメモにしましょう✏️
どんな言葉でもOK
浮かんだイメージ
風景

同時に、それぞれの香りの強さにも着目してみましょう。
3種類とも、アロマ精油の中では柔らかく軽いノートのはずですが
あなたの手持ちの精油たちは、3種類のうち
どれが強めどれが柔らかめでしょうか。
(精油メーカーによって、多少の違いがあるので、
『あなたの精油』で知っておくと良いと思います。)


そして今度は、試香紙を2本持ち、同時に嗅いでみましょう。
オレンジ+レモン
オレンジ+ベルガモット
また
レモン+ベルガモット

好きな組み合わせはどれですか
浮かんだイメージをメモしておきましょう✏️


柑橘の精油同士の組み合わせで嗅いでみるということをあまり試したことがなかった方には、きっと新鮮な試みだったと思います。
嗅覚を使いますので、その日の体調やお天気、直前に食べたものでも印象は変わり、また日を改めてトライしてもらうと今日とは違うワードが思い浮かんだりして、楽しいものです。

最後に3本とも手に持って、試香紙をパタパタと振って香りを確かめましょう
漂うのはどれもよく似た香りですが、
もしもあなたがその混合の香りの印象に

「香りの奥行きのようなもの」
「香りの階段のようなもの」
「香りのグラデーションのようなもの」
を感じられたら、今日の実習は大成功です✌️


次回は、今日嗅いだレモンとベルガモットの作用と適応を具体化します。

実習を一緒にできそうな方は、(読みながらってことです)
無水エタノールとスプレー容器30〜50ml(アルコールを入れて良いもの)
大好きな精油、いま気になる精油を1種類
それから精製水とラベルシールをご用意ください。

今月は、いずれマンダリン グレープフルーツ ライム プチグレイン精油たちも使っていきます。

ではまた🍊


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