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18-19season 選手評価 (DF篇・前編)

昨シーズン振り返り記事も残すところDFとGKとなった。

今回の記事では、DF前編としてセンターバックの5人について書こうと思う。

昨シーズンのセンターバックについて抱いている印象は、
キエッリーニ以外全員落第。
とてもユヴェントスのセンターバックとして胸を張れるレベルではなかった。

個人的にベナティアの放出は心底痛かったと思っている。
アッレグリの方針と合わず、やる気を失った選手を無理やり残してもいい結果が見えないことは分かってはいるのだが、少なくとも出場していた試合では十分な結果を残していたように感じていた。

クラブを去った今もクラブ愛を口にして憚らない彼と、もう少し上手くやれていたら、と第三者的には思ってしまうのであった。
(遅かれ早かれデリフトの到着の煽りを受けることにはなるのだが)

と、いつも長くなってしまう前置きはこのくらいにしておき、選手の評価に移ろうと思う。

■ジョルジョ・キエッリーニ🇮🇹 34歳 #3

75点

「キエッリーニは高級なワインのようだ。年を重ねるごとに熟成していく。」

ユヴェントスやイタリア代表でキエッリーニと共にプレーした、レグロッターリエ氏はイタリア紙のインタビューでそう発言した。

なんとも言い得て妙である。

ブッフォンが退団した昨シーズン、ブッフォンからキャプテンマークを譲り受けたキエッリーニは、見事にチームをまとめてみせた。

ピッチに立てば圧倒的な存在感で相手の攻撃をシャットアウトし、スコアシートに0を重ねていった。
イタリアのディフェンダーを体現したこの選手の存在が、チームに与える安心感、躍動感は数字だけでは表せない。
(逆に不在時のチームの不安感、停滞感が半端ではなかった。)

デリフトやデミラル、ロメロの加入には彼の存在も少なからず影響しているのだろう。

34歳を迎え、いよいよキャリア晩年に差し掛かった今、彼のスキルやメンタリティーが、しっかり次の世代に受け継がれるシーズンにしてほしいと思う。

■レオナルド・ボヌッチ🇮🇹 32歳 #19

60点

昨夏、ロナウドの加入に次ぐビッグニュースとなったのはこの男の復帰だろう。

フロントと揉め、7年間所属したユヴェントスを飛び出し、ミランでキャプテンを1年務めたボヌッチは、
7年間かけて培ったディフェンスをすっかり忘れ、並のCBとしてユヴェントスに帰ってきた。

そんな選手がファーストチョイスとしてチームに居座るのだから、ベナティアが退団を希望するのも納得だろう。

とはいえ、時折見せる超絶ロングフィード、キエッリーニとの連携、故障の少なさは、チームにプラスとして働いた。

とはいえ、今シーズンのような出来では来期のデリフトとのスタメン争奪でも厳しいものがあるのかもしれない。
デミラルも素晴らしい出だしを切っているこのプレシーズン、本来の安定感を取り戻し、確固たる地位を確立できるのか、見ものだ。

■ダニエレ・ルガーニ🇮🇹 25歳 #24

45点

エンポリからユヴェントスに来てからの4年間、まるで進歩が見られないのがこの選手である。

昨シーズン、キエッリーニが不在の際、その穴に悉く入ったのがルガーニだが、まるでその穴を埋められず、いつもファンの批判の対象となっていた。

たしかにキエッリーニの穴を埋められる選手などそうそういないのだが、仮にもCL優勝を目指そうというチームのCBの3番手が見せるプレーではなかった。

足の遅さ、技術のなさ、判断の悪さ、改善すべきポイントだらけである。

しかしながら25歳と若くしてユヴェントスのようなビッグクラブで4年も過ごしいているこの選手が目の当たりにしてきたものは、そんじょそこいらの25歳のものとはわけが違う。

かつてタッグを組んで輝きを放った指揮官とともに、都合よくベンチにいてくれるイタリア人枠から脱却すべく、今こそ奮起してほしいと思う。

■マルティン・カセレス🇺🇾 32歳 #4

55点

3回目のビアンコネロ加入となった昨シーズン。
戦力としての評価よりもまず、その決断自体が美談であった。

ベナティア退団やベテラン陣のケガでCBの層が極端に薄くなったユヴェントスは、ラツィオで出場機会を失っていたこの元白黒戦士に声をかけた。

具体的には、会長のアニェッリから選手に直接2回ほど、電話でのアプローチがあったと言われている。

Rakutenの援助で馬鹿みたいに補強を続けるヴィッセル神戸と高額年俸で契約寸前だったにも関わらず、カセレスは古巣からのヘルプの要請に間髪入れず首を縦に振った。

半期だけの契約、減俸、移籍の破断。
それらのネガティブな要素を上回るほどのクラブ愛を見せてくれたカセレスには1ファンとして感謝を示したい。
本当にありがとう。

加入当初こそ、おどおどとしたプレーで周りを不安にさせたが、数試合たってからはルガーニよりはるかに安定感があった。

後半はこの選手も怪我に泣かされたが、クラブに期待されていた働きには値したと思っている。

おそらくこれがユヴェントスとのラストシーズンだと思うが、最後にキエッリーニ、ボヌッチ、バルザーリとスクデットを獲得してくれて良かったと思っている。

■アンドレア・バルザーリ🇮🇹 38歳 #15

50点

まず最初に言っておくと、
私はこの選手が大好きだ。

ユヴェントスの最終ラインからのビルドアップがここ数シーズンでうまく行かなくなったのは個人的にはこの選手の稼働の減少、加齢によるところが大きいと思っている。

実際、昨シーズン一度3バックシステムで対戦した際(ボローニャ戦だったような、)は、驚くほどボールがスムーズに前に進み、完璧ともいえる試合運びだった。

相手をぶっ潰すとも言えるような対人守備だけでなく、戦術的なインテリジェンスも兼ね備える素晴らしいイタリアのディフェンダーだった。

そんなバルザーリも17-18シーズンの後半からは怪我による欠場が増え、昨シーズンのほとんどは稼働ができなかった。

どんなにいい選手だとしても、戦力として計算できないのであれば、クラブとしてはいい評価を下せないだろう。

そして、ついに、バルザーリは昨シーズン限りでの現役引退を発表した。

将来的にコーチとしてビアンコネロに復帰が予想されているバルザーリ。
選手として、決して輝かしいスターダムを駆け上がってきたわけではない彼が、今後どういった才能を発掘し、育てていくことになるのか。

そして、これからどんどん若返りを見せるユヴェントスの最終ラインをどのように指導していくのか、楽しみで仕方がない。

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