人生はオーケストラなんだよ
ミューレの中の子どもたち(大人の生徒も巻き込まれてるけど)の人間関係は、私が理想とする「本当に差別のない助け合いの世界」の縮図になっている。
4歳くらいになったら、日常的に起こるさまざまなことを、舞台上のオーケストラに例えて話して聞かせる。舞台上のオーケストラを、小さな社会に見立てて。
いつもの通り、グループワークをしている最中に、Kちゃんがいかにも気を悪くした顔でまったく話し合いに参加していなかった。
苦労しながらもグループワークは終わり、みんなはその成果に必死で「とりあえず終わった」とホッとした表情でいた。
私は、「今から大事なことを話すから、座って。」と言って、「Kちゃん、今、気分悪いら?」と言った。とたんにKちゃんは涙ぐんで、他の子は黙りこくった。
「何故、Kちゃんは気分が悪いと思う?」と言ったら、Hちゃんが「先輩たち(うちの小学生クラスは先輩と後輩、2クラスをくっつけた構成になってる)が全然話しかけてくれなかったから。」と、思わず言わずにいられなかったという様子でKちゃんの代弁をした。
私は、Kちゃんの顔が沈んでいった状況と、なぜHちゃんはそれに気づいたかということをかみくだいて話して聞かせた。
「仲間だったらそこに気づかなくちゃいけないよ。」と。話を聞きながら、Rちゃんはそっと涙をぬぐった。先生に怒られたからじゃない、Kちゃんの気持ちを本気で思いやったからだ。
ここに登場するKちゃん、Hちゃん、Rちゃんって、みんな、「この子だよ。」って言うと、お母さんたちは驚くと思う。そういうタイプじゃないからだ。
ミューレの子どもたちの行動は、「そんなタイプじゃない」って言われることが多い。でも私は、これが本来の姿だと確信している。そこには「人からどう思われるか」が何も介在していないから。
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